Saturday, March 31, 2007

CH74@滋賀

情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会が情報歴史学にとって重要な研究組織であることは、情報歴史学コースに所属している諸君であればすでに知っている(よね? (^_^;;)ことと思うが、その第74回研究発表会が、5月25日(金)、龍谷大学瀬田学舎(滋賀県大津市)で開催される。

プログラムやアクセス方法についてはリンク先からたどってほしいが、都合がつく学生は是非参加して、最先端の研究発表に触れてほしい。

この研究会は年に1度は関西で(つまり、花大の近郊で)開催されるが、この手の研究発表の場がこのように近場で開催されるということを当たり前だと思うのは間違いである。やはりこの日本は東京中心なので、一般的に言えば重要な学会や研究会、シンポジウムなどは東京で開催されることが多いし、場合によっては国外で開催されることも少なくない(可能ならば遠征もしてほしいけど)。それに対して、情報歴史学系の学会、研究会は割と関西で開催されることが多いので、地の利を活かして経験値を積んでほしいのである。

Saturday, March 17, 2007

2006年度学位授与式

今年も無事、3名の卒業生を送り出すことができた。卒業おめでとう!

卒業式の式辞と言えば退屈なものと相場が決まっているし、そもそも毎年卒業式に出続けている身としては(卒業生たちと違って)新鮮さもないわけだが、今日の同窓会長の式辞は、私が情報歴史学ゼミでずっと言い続けてきたことに重なるような気がして、ちょっと感慨深かった。

…臨済禅師がまだ若かった頃、ある寺の住職に手紙を届けるお使いを頼まれた。その寺に行って玄関番に手紙を渡すと、その玄関番は恭しく手紙を受け取った。そして玄関番は臨済に言った。「この手紙は確かに受け取りました。ところで、あなたの手紙は?」…

歴史研究においては客観的、実証的であること、主観的でないことが求められる。「君の考えを聞きたいわけじゃない、史料にはどう書いてある?」云々。一方、私はゼミで何度も「どうしてそれをやるのか?」「どうしてそのデータベースを作るのか?」を何度も問うてきた。玄関番の「あなたの手紙は?」とある意味同じだ。両者は一見対立するようだが、決してそうではない。

ともあれ、卒業おめでとう!

Wednesday, March 07, 2007

東洋学へのコンピュータ利用・第18回研究セミナー

京大で行われる毎年恒例の東洋学へのコンピュータ利用第18回研究セミナー(3月22〜23日)が開催される。プログラムはこんな感じ。
  • 22日
    • 13:30〜13:40 開会挨拶
    • 13:40〜14:20 曖昧な「唐代」概念…山田崇仁(京都大学)
    • 14:20〜15:00 唐代官制の概念モデリングの試み…白須裕之(京都大学)
    • 15:20〜16:00 「唐代の行政地理」に関する「史料」問題…牛根靖裕(京都大学)
    • 16:00〜16:40 唐代人物知識ベースの現在…山本一登(京都大学)
  • 23日
    • 10:30〜11:10 東洋学文献デジタルアーカイブの色彩学的諸問題…當山日出夫(花園大学)
    • 11:10〜11:50 人文科学研究におけるGoogle Earthの使い道…師茂樹(花園大学)
    • 13:10〜13:50 朝日字体の終焉…安岡孝一(京都大学)
    • 13:50〜14:30 インターネットリソースとしての仏教文献…永崎研宣(山口県立大学)
    • 14:30〜15:10 UCSの統合漢字から見る包摂規準…川幡太一
    • 15:30〜16:10 UCSにおける甲骨文字収録の意義と問題点…小形克宏(うさぱら)
    • 16:10〜16:50 インターネット・リサーチで文字用例をさがす…高田智和(国立国語研究所)
    • 16:50〜17:00 閉会挨拶
1日目は唐代知識ベース関連の特集である。中国史ではあるが、歴史学における知識(人名とか地名とか諸々の情報)を有機的に関連させながらコンピュータ上で表現するにはどうすればいいか、というような問題に取り組んでいる人たちによる報告である。情報歴史学的に、極めて重要な問題である。

2日目には私もGoogle Earthやら安土桃山時代の京都がらみで発表する。地理情報システム(GIS)を知識表現で使うには?みたいなことを話す予定。

情報歴史学コースの諸君には、是非参加してほしい。