Wednesday, April 25, 2007

mixiにコミュを作りました

mixiに「情報歴史学コース」コミュを作りました。
mixiのIDが欲しい人は招待状を送るので、連絡して下さい(入会したら携帯電話でもできるけど、登録にはパソコンのメールアドレスが必要なので注意)。

Wednesday, April 18, 2007

情報歴史学コース全体指導

学内掲示板に掲示が出ていると思いますが、来週火曜日18時から、情報歴史学コース所属学生全員(2〜4回生)と担当教員による全体指導を行います。
  • 日時:4月24日(火)18時〜
  • 場所:返照館302教室
情報歴史学コースでの授業や返照館302教室の使用などに関する大切な会議ですので、特別な理由がない限り欠席しないようにしてください。また、ゼミ旅行に関する打ち合わせも予定しています。

なお、全体指導終了後、懇親会を予定しています。

Tuesday, April 10, 2007

情報知識学会 人文・社会科学系部会研究会のご案内

以下の案内を頂く。博物館情報学はちょっと興味があるので、参加したいのだが、その日は仕事なんです(涙)。田良島さんは情報歴史学業界の重要人物(チープな表現ですいません)の一人。最近では、歴史地震史資料の電子化などでご活躍(http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/chikyu_0511.htmlなど参照)。

情報知識学会 人文・社会科学系部会研究会のご案内

しばらく研究会の開催が滞っておりましたが、新しい企画として「博物館と情報」をテーマに若手の研究者から話題を提供していただきます。広くご参加を歓迎いたします。(部会担当:田良島 哲)
日時
2007年4月21日(土)15:00~17:00(14:30受付開始)
会場
東京国立博物館 平成館小講堂(台東区上野公園13-9。博物館「西門」から入館してください)。
※交通と地図はこちら http://www.tnm.jp/jp/guide/index.html
プログラム
  • 15:00 主催者あいさつ
  • 15:05-15:45 「博物館・美術館におけるデジタル画像に対する意識について―館種、規模、デジタル化達成率の違いによる意識の差―」
    奥本素子(総合研究大学院大学 文化科学研究科)
  • 15:45-16:25 「人文系博物館の目録情報の現状―都道府県博物館への調査結果より―」
    北岡タマ子(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科)
  • 報告終了後、自由討議
参加方法
どなたでもご参加いただけます。
参加希望の方は、stara@nifty.com(半角英数字)あて ご氏名・ご連絡先(email・電話・Fax等)をお知らせください。
文書でご連絡の場合は 110-8712 台東区上野公園13-9 東京国立博物館情報課気付 田良島 あて にお願いします。
※お預かりした個人情報は、次回以降のこの会合の連絡にのみ使用します。

Friday, April 06, 2007

Digital Humanities Quarterly

日本語訳すれば『季刊デジタル人文学』。人文学とコンピュータとの関わりについて幅広い視点から論じた論文をオンラインで公開する電子ジャーナル。英語だけど、がんばって読んでみる価値はあると思うぞ。

Digital Humanities Quarterly

日本アーカイブズ学会2007年度大会

日本アーカイブズ学会2007年度大会
  • 日時:2007年4月21日(土)13:00−17:00、4月22日(日) 9:30−18:00
  • 会場:学習院大学(JR目白駅下車5分)
詳しくはhttp://www.jsas.info/rightFrame/right1/070324/LatestN.htm参照。関西だったら行くのにね。

Monday, April 02, 2007

「美濃部家屋敷図」の出典など

情報歴史学研究室: 【講義メモ】コンピュータで遺跡を復元するで紹介した藤井君のCGについて、明石観光協会から問い合わせがあった。なんでも、明石の歴史について勉強されているボランティアガイドの方がこのブログを見て、どのような資料を使ったのか知りたいと観光協会に問い合わせをされた由。藤井君に代わり、観光協会の方には電話でご連絡をしたが、ブログでも答えられる範囲でお答えしたいと思う(以下の情報は藤井君の卒業論文に基づくものであり、このエントリを書くにあたって当該文献や明石市立文化博物館等を直接(再)確認しているわけではないので、そのあたりはご了承いただきたい)。

「美濃部家屋敷図」の出典

明石市立文化博物館『発掘された明石の歴史展―明石城武家屋敷跡―』(明石市立文化博物館、1996年)に掲載。

「美濃部家屋敷図」に東西南北の表示はあるか?

あります。

「美濃部家屋敷図」から敷地の広さ、縦横の長さなどはわかるか?

大雑把な情報は得られるが、正確な数値はわからない。CGを作る際には、発掘調査報告書などを利用している。いくつかあげると:
  • 明石市立文化博物館『明石市明石城武家屋敷跡 I』第1分冊(明石市教育委員会、1994年)
  • 兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所『明石市明石城武家屋敷跡』第109冊(兵庫県教育委員会、1992年)
  • 稲原照嘉「明石城の発掘調査」(『信濃』第52巻第10号、信濃史学会、2000年)
  • 前掲『発掘された明石の歴史展―明石城武家屋敷跡―』

建物の高さの推定

「美濃部家屋敷図」は平面図であるため、これからは高さなどは推定できない。しかしながら、幸いにして昭和初期の写真が残っており、塀の高さなどについては大まかに知ることができる(前掲『発掘された明石の歴史展―明石城武家屋敷跡―』所収)。それ以外には、現存する同時代の武家屋敷や、“建築指図”と呼ばれる史料(設計図みたいなもの)などから推定している。

この例に限ったことではありませんが、一般に「復元」と言っても、各種史資料を研究者が解釈し、多分に恣意を交えて構成したものであるということをご理解いただければ幸いです。

Saturday, March 31, 2007

CH74@滋賀

情報処理学会・人文科学とコンピュータ研究会が情報歴史学にとって重要な研究組織であることは、情報歴史学コースに所属している諸君であればすでに知っている(よね? (^_^;;)ことと思うが、その第74回研究発表会が、5月25日(金)、龍谷大学瀬田学舎(滋賀県大津市)で開催される。

プログラムやアクセス方法についてはリンク先からたどってほしいが、都合がつく学生は是非参加して、最先端の研究発表に触れてほしい。

この研究会は年に1度は関西で(つまり、花大の近郊で)開催されるが、この手の研究発表の場がこのように近場で開催されるということを当たり前だと思うのは間違いである。やはりこの日本は東京中心なので、一般的に言えば重要な学会や研究会、シンポジウムなどは東京で開催されることが多いし、場合によっては国外で開催されることも少なくない(可能ならば遠征もしてほしいけど)。それに対して、情報歴史学系の学会、研究会は割と関西で開催されることが多いので、地の利を活かして経験値を積んでほしいのである。

Saturday, March 17, 2007

2006年度学位授与式

今年も無事、3名の卒業生を送り出すことができた。卒業おめでとう!

卒業式の式辞と言えば退屈なものと相場が決まっているし、そもそも毎年卒業式に出続けている身としては(卒業生たちと違って)新鮮さもないわけだが、今日の同窓会長の式辞は、私が情報歴史学ゼミでずっと言い続けてきたことに重なるような気がして、ちょっと感慨深かった。

…臨済禅師がまだ若かった頃、ある寺の住職に手紙を届けるお使いを頼まれた。その寺に行って玄関番に手紙を渡すと、その玄関番は恭しく手紙を受け取った。そして玄関番は臨済に言った。「この手紙は確かに受け取りました。ところで、あなたの手紙は?」…

歴史研究においては客観的、実証的であること、主観的でないことが求められる。「君の考えを聞きたいわけじゃない、史料にはどう書いてある?」云々。一方、私はゼミで何度も「どうしてそれをやるのか?」「どうしてそのデータベースを作るのか?」を何度も問うてきた。玄関番の「あなたの手紙は?」とある意味同じだ。両者は一見対立するようだが、決してそうではない。

ともあれ、卒業おめでとう!

Wednesday, March 07, 2007

東洋学へのコンピュータ利用・第18回研究セミナー

京大で行われる毎年恒例の東洋学へのコンピュータ利用・第18回研究セミナー(3月22〜23日)が開催される。プログラムはこんな感じ。
  • 22日
    • 13:30〜13:40 開会挨拶
    • 13:40〜14:20 曖昧な「唐代」概念…山田崇仁(京都大学)
    • 14:20〜15:00 唐代官制の概念モデリングの試み…白須裕之(京都大学)
    • 15:20〜16:00 「唐代の行政地理」に関する「史料」問題…牛根靖裕(京都大学)
    • 16:00〜16:40 唐代人物知識ベースの現在…山本一登(京都大学)
  • 23日
    • 10:30〜11:10 東洋学文献デジタルアーカイブの色彩学的諸問題…當山日出夫(花園大学)
    • 11:10〜11:50 人文科学研究におけるGoogle Earthの使い道…師茂樹(花園大学)
    • 13:10〜13:50 朝日字体の終焉…安岡孝一(京都大学)
    • 13:50〜14:30 インターネットリソースとしての仏教文献…永崎研宣(山口県立大学)
    • 14:30〜15:10 UCSの統合漢字から見る包摂規準…川幡太一
    • 15:30〜16:10 UCSにおける甲骨文字収録の意義と問題点…小形克宏(うさぱら)
    • 16:10〜16:50 インターネット・リサーチで文字用例をさがす…高田智和(国立国語研究所)
    • 16:50〜17:00 閉会挨拶
1日目は唐代知識ベース関連の特集である。中国史ではあるが、歴史学における知識(人名とか地名とか諸々の情報)を有機的に関連させながらコンピュータ上で表現するにはどうすればいいか、というような問題に取り組んでいる人たちによる報告である。情報歴史学的に、極めて重要な問題である。

2日目には私もGoogle Earthやら安土桃山時代の京都がらみで発表する。地理情報システム(GIS)を知識表現で使うには?みたいなことを話す予定。

情報歴史学コースの諸君には、是非参加してほしい。

Thursday, February 08, 2007

口頭試問終了

卒論の口頭試問が終わりました。以下、簡単に総評。

大亀さんの「確率統計的分析による大工道具の地域的分布の研究」は、大工道具の寸法や地域などに関するデータベースを作成し、それを相関分析やクラスター分析などをすることによって、地域差を見いだしたり、地域が不明な大工道具について推定してみようというもの。物質史料の計量的研究として方法論的に枯れている(確立している)し、レコード数も5,580件と個人レベルではかなり多いので、ベースは高く評価できる。一方、実際の分析においては、例えば高い相関が出ているデータについてどのように解釈するか、などの点が抜けており、本格的な研究はこれからという感じである。また(大亀さんも認識していることだが)最終的には地域的な分布だけでなく、歴史的な変遷などにも目を向けなければならないだろうし、本格的な研究にはサンプル数も偏りなく、もっと多い方がいい。卒論にそんなハイレベルなことを求めるのは酷かもしれないが、逆に言えばそのような発展が容易に想像できるぐらいの質の高いデータベースであるとも言える。

林さんの「ケガレ研究文献データベースの作成 〜学際的交流を目指して〜」は、従来、歴史学、民俗学、宗教学、人類学、社会学、文学、部落問題研究などの様々な分野で議論されてきた「ケガレ」の問題について、学際的な交流が必要だという問題意識の下、それを活発化させるためのシステムのプロトタイプを作ってみました、というもの。研究文献データベースを軸に、最近流行の集合知を実現するための仕組みとして、コメント機能を追加した。集合知については大向一輝「Web2.0と集合知」にあるように、単にコメントがつけられるだけでなく、集約性が重要である。しかしながら、林さんのシステムではコメント機能しかなく、各分野の「ケガレ」概念を統合したり、共通認識を醸成するような仕組みが明示的には存在しない。また、データの件数も、研究者を集めるためには少ないと言わざるを得ず、今後の開発にかかっていると言える。

大本さんの「前田利家に関する論文・書誌データベース」は、前田利家関連の書籍にマンガや一般書、観光案内のようなものが多く、歴史研究者、特に初学者にとって情報を収集しやすい状況ではないという状況を踏まえ、主に歴史研究を始めたばかりの学生を対象に前田利家に関する学術論文のデータベースを構築した、というもの。コンセプトは理解できるが、このコンセプトを実現するための方法に問題があるように思われる。すなわち、コンセプトを明確にするために、データベースに収録する対象(論文など)と利用者を厳しく限定した結果、レコード数が少なく、一部の人(花園大学史学科の学生)しか利用できないものができあがってしまった。せっかく作ったものも、利用されないのでは意味がない。むしろ、データ化の対象や利用者の制限を緩くして、コンセプトにあった絞り込みが可能なデータベースにした方がよかったのではないだろうか。

Wednesday, February 07, 2007

シンポジウム「知の構造化と図書館・博物館・美術館・文書館」

東京大学創立130周年記念公開シンポジウムだそうです。「図書館・博物館・美術館・文書館における知の組織化」がテーマらしい。シンポジウムのタイトルには「構造化」とあり、趣旨説明には「組織化」とあるが、「構造化」と「組織化」は同義語ということなのだろうか?

それはともかく発表内容はというと、
  • 早乙女雅博(人文社会系研究科)「高句麗古墳壁画の模写資料」
  • 馬場 章(情報学環)「文化資源統合デジタルアーカイブの試み」
  • 石川徹也(史料編纂所)「学術活動成果の集積としての知識データベース」
ということで、かなり情報歴史学的である。ぜひ聞きにいきたいところだが、2月17日に東京出張は無理だなぁ。

Sunday, February 04, 2007

情報歴史学の教育に挑む

国立歴史民俗博物館が発行している『歴博』No. 140は、特集「コンピュータ歴史学の歴史」である。
  • [巻頭言]鈴木卓治「地道にそして着実に」
  • 田良島哲「コンピュータ、ネットワークと歴史研究 —これまでとこれから—」
  • 横山伊徳「私のデジタル化戦略 コンピュータで史料編纂所の二〇年を歩む」
  • 師茂樹「情報歴史学の教育に挑む」
  • [コラム]照井武彦「歴博コンピュータ奮戦記」
  • [コラム]五島敏芳「真の〈デジタル〉アーカイブ構築への挑戦 —資料目録電子化の現場から」
どれも興味深い記事であるが、その中で私も情報歴史学コースのことについて書かせてもらっている。原稿締切が去年の秋だったので、紹介しているゼミ生諸君の研究テーマも2005年度卒業生のもの(川畑君の「織田信長と朝廷に関する論文データベース」と藤井君の「明石城武家屋敷の3D画像作成」)や、研究会で作ったQRコード+携帯電話の博物館閲覧支援システムなど)が中心である。

この中では、「情報歴史学は補助学か?」という問い(この問いについては、ゼミの中で何度か議論したことであるが)に、次のように答えてみた。
筆者の考える情報歴史学は、まず第一には、歴史学のある研究分野の方法論や伝統について分析し、それをコンピュータを使って記述する(≒データベースを作成する)という学問である。それは、対象となった研究分野の研究者から見ればツールが提供されたように見えるだろう。しかし、データベースとして表現された方法論や伝統が暗黙のものであった場合、それが視覚化されることによって新たな議論、すなわち方法論的な反省が発生する契機となる場合もあろう。それをふまえて第二には、従来の研究方法を相対化できるような新しい方法を模索し、それによって歴史学の研究を行うことである。以上のことから、筆者は、情報歴史学は補助学ではないと考えている。

私が書いた記事以外も(の方が?)おもしろいので(横山先生のはなんとパンチカードから!)読んでみてほしい。

なお、情報歴史学コースについては、他にも以下のような紹介記事があったりする。

Tuesday, January 30, 2007

日本史の一級史料

山本博文氏の『日本史の一級史料』(光文社新書)は、全体的に薄味な感じで、まとまりも感じられないが、文献史学という分野をほとんど何も知らない人が、どんなことをしているのかを(近世史中心だが)イメージするのにはいいかもしれない。また、東京大学史料編纂所でどんな活動をしているのか、『大日本史料』などがどんな感じで編纂されていて、データベースがどのように作られているのかなどが、簡単に紹介されており、最初のとっかかりの本として有用だろう。



史料編纂所のデータベースを含む文献史学系のデータベースについてもう少し詳しく知りたい場合には、ちょっと古いけど『人文学と情報処理』25(特集:歴史学系データベースと文字コード)とか『人文学と情報処理』22(特集:日本史研究の情報化)あたりでまとまって読める。あとはいろんな雑誌や書籍にバラバラに入ってたりするので、探してみよう(情報処理学会・人文科学とコンピュータ研究会の研究報告やシンポジウムの論集などから始めるのが吉)。

Tuesday, January 23, 2007

【シンポジウム】「文理融合」による新「知識資源学」の創成

3月1〜3日に行われる東京工業大学のイベント。
おもしろそうな発表があるので、大学の行事がなければ行きたいところだが。

ところで、ここで言う「文理融合」というのはどういう意味なのだろう。このイベントに限らず、いろいろなところで「文理融合」という宣伝文句を聞くようになったが、理系の人が文系の人の研究対象を理系の方法で研究する、というのが多いように思う。でも、方法が理系ならそれは理系の研究だよなぁ、と思う——例えば、歴史学の人がコンピュータの歴史を研究しても「文理融合」とは言わないように。

私個人の考えでは、情報歴史学は「文理融合」ではない。もうちょっと正確に言うと、そもそも文・理は「融合」させなければいけないほど離れたものではなく、対象も方法も重なっているところが多い。ところが各分野の専門化、細分化、蛸壺化が進んで、「重なっているところ」が見えにくくなってきた。ところがコンピュータの登場によって、「重なっているところ」が見えやすくなった。情報歴史学はその部分なんだろうと思う。

以下にあげる本は、文学の研究書だけれど、そういう「重なっているところ」的な雰囲気に溢れたものでおすすめである(ちなみに、物語理論は歴史学においても重要なので、おさえておきたいジャンルである)。



ちなみに、翻訳した岩松先生は国文学科で非常勤講師をされている。実はこっそり花大系なのである。

Wednesday, December 20, 2006

斑鳩・飛鳥巡見

ある日の3回生ゼミで、こんなやり取りがあった。周りの景観も含めてキトラ古墳を3DCGで再現しようと考えているゼミ生に「キトラ古墳って、実物を見たことある?」と聞いたら、見たことがないという。また、丹波国分寺の復元を考えているゼミ生に「(丹波国分寺と同じ伽藍配置の)法起寺って、行ったことある?」と聞いたら、行ったことがないという。近いようで遠いような微妙に行きづらいところとは言え、やはり現地を見ないことには再現とか復元とかを云々することはできない。その場で「じゃあ、皆で行くか?」ということで、その場で遠足が決定した。

12月19日、快晴。3、4回生合同編成のツアーで、残念ながら2名の欠席者(発熱+寝坊のドタキャン!)があったものの、マイクロバスで大学を出発。途中懸念された渋滞等もなく、順調な滑り出し。車内では、就職どうする?とか、結婚ってしたくない?とか、卒業が見えてきた学生らしい話題で盛り上がる。

法隆寺ICを降り、法隆寺をスルーして最初の目的地である法起寺に到着。法隆寺と比べると未整備な感じで、我々以外の観光客もいないが、法隆寺などとセットで世界遺産に指定されている。

飛鳥時代からほぼそのまま残っているという国宝の三重塔は、かなりの迫力である。法隆寺の五重塔とほぼ同じ大きさ、構造のまま三重塔として建てられているということで、線が太いダイナミックな印象。皆で境内を歩き回ったり写真を撮ったりしていたら、寺務の方が「塔の柵を越えて中を見ていいよ」と声をかけて下さる。皆で興味津々、塔内部の構造をじっくり見学し、昭和の大修理をめぐる寺務の方のお話を聞く。感謝感激。丹波国分寺を研究テーマとしているゼミ生も、何かをつかんでくれたようである。

続いてはキトラ古墳。途中、耳成山や畝傍山が見えて、飛鳥に来た気分になる(万葉集が自然と口をついたりすると格好いいのだが、などと、こういうときにはよく思う)。

つい先日「寅」のはぎ取りが行われたキトラ古墳(の入り口の方)は、写真のように建物で覆われ(AKIRAのようだ)、史跡とはとても思えない異様な雰囲気である。建物の入り口付近に掲げられた「ここがキトラ古墳です」という小さな看板が、この異様さを雄弁に物語っている。デジタルアーカイブなどとも無関係ではない、文化財行政に思いを馳せる。

キトラ古墳はもちろん、中を見ることはできない。今回ここに来た目的は、景観復元の参考にするためである。もっとも、周囲は高低差が大きなぼこぼこした地形であり、50mメッシュぐらいの標高データでは全然だめな感じである。私は、韓国の事例から、もうちょっと平らなところではないかと勝手に想像していたので、やっぱり現地に行くことは重要だと改めて思う。

最後の目的地は、奈良文化財研究所の飛鳥資料館である。ここでしか買えないキトラ古墳関連の図録などがあるので、件のゼミ生は大人買いモードである。

つい先日、和歌山で両面の埴輪が見つかったこともあり、『日本書紀』の両面宿儺の記事を思い出しつつ、資料館前庭の両面の石像(レプリカ)に見入る(気分は宗像教授)。展示の中では、山田寺の東回廊の復元がおもしろかった。

一通り見終わったあとは、おみやげを買って帰路につく。マイクロバスでの移動だったが、皆ぐったり。お疲れさまでした。

Wednesday, December 06, 2006

シンポジウム「歴史が蘇るデジタル・アーカイブ」

国立公文書館の資料を中心にデジタル化と公開を行っているアジア歴史資料センターが、下のようなイベントをやるようだ。日時は12月8日(って今週やんけ!)、場所はなんと赤坂プリンスホテル (^_^;; 金あるー。まあ、冗談はともかく、技術的にどうこうというイベントではなく、歴史学の研究者がこれを使ってこんなことができる、こんなことがわかった、みたいなイベントのようである。
このデータベースは近現代史をやってる人にはウハウハなものらしいので、参加して是非、活用事例などを聞きたいところだけど、仕事があるので東京までは行けないなぁ。

Saturday, November 25, 2006

Google Earth、古地図に対応

すでにいろいろなところで報じられているが、おなじみGoogle Earthが古地図に対応した:
詳細はこの記事にリンクしているサイト群をたどってほしい(日本語のやつだけで十分)。

情報歴史学な皆さんとしては、現代の地図と古地図との重ね合わせとかについてはすでに目にしていると思うし、それに関する論文なども紹介していると思う(今年はしてないっけ?だったら来週あたりちょっと紹介しよう)。

この手のものでは古地図を現代の地図にあわせるようにゆがめて重ねるわけだけど、これって実はいろいろな問題を抱えている。そもそも、現代人が普通だと思うような空間把握を昔の人はしていなかったので、古地図は「不完全な地図」ではなく「現代人が考える地図とは別の何か」だ。そのへんのことについて理解(というか、自覚)していないと、歴史研究としては全然意味のない結果が出てしまうことがある。

Friday, November 24, 2006

3回生のレポート課題

今年の3回生ゼミのレポート課題は、
  1. 今年のゼミ発表を三段構成法でまとめる(12,000字)
  2. 以下にあげるイベントのどれかに参加し、研究発表や展示を一つ選んで概要と批評を書く(2,000字)
の二つである。2つ目の「イベント」とは、以下の通り。
批評というのは、感想文ではないので、そこのところよろしく。

Sunday, November 12, 2006

電子メディアを飼いならす

以前紹介した情報歴史学研究室: ベトナムの祖先祭祀や情報歴史学研究室: マルチメディアによる民族学で述べたマルチメディアによる民族学での研究は、要するに様々な媒体の記録や資史料(文字、写真、音声、動画)をコンピュータ上でまとめた、という感が強い(1990年代のマルチメディア・ブームが影響しているのであろう)。

しかしながら、この手の研究はその後興味深い展開を見せる。単に便利なツールとしてメディアを使うのではなく、そもそも現代の様々なメディアで民俗学・民族学・文化人類学が対象とするような情報が流通し、研究者だけでなく研究される側(伝統芸能の担い手とか)もそれを受容している(場合によっては積極的に活用している)という状況をどう考えるべきか、あるいは、例えばマルチメディアを使って民族学等の情報をインターネットで流すという行為は何を意味するのか、というような問題が検討されるようになったのである。代表的な本を一冊、紹介しておこう:



このような問題の一端については、授業で新谷尚紀「映像民俗誌論―『芸北神楽民俗誌』とその制作の現場から―」(『民俗学の資料論』、吉川弘文館、1999)をとりあげた際にも議論したし、私もいくつか発言をしている(赤間亮・川村清志・後藤真・野村英登・師茂樹「人文科学にとっての“デジタルアーカイブ”」〔『人文科学とコンピュータシンポジウム 論文集』、2004〕、師茂樹「「デジタルアーカイブ」とはどのような行為なのか」〔『情報処理学会研究報告』Vol. 2005, No. 51 (2005-CH-66) 一部訂正あり〕)ので参照してもらいたい。

この本に収録されている論文の多くは、クリフォード・ギアーツの『文化の読み方/書き方』を参照している。読みやすい本なので、こちらもぜひ読んで欲しい。



「文化を書く」ということは、民俗学などだけの問題ではない。歴史学全般、ないし人文学全般に関連する問題である。情報歴史学でやっている、例えば遺跡の3D再現などはまさに「文化を書く」という行為そのものだ。我々は「電子メディアを飼いなら」しつつ、「文化を書く」ことについて考え、実践しなければならないのである。