Sunday, May 14, 2006

Il Codice Atlantico virtuale

Il Codice Atlantico virtualeとは、レオナルド=ダ=ヴィンチの所謂『アトランティコ手稿』をマルチメディアで再構成したもの(ヴァーチャル『アトランティコ手稿』)。書籍+CD-ROMで販売されているほか、東京で展示したりしている(書籍版については購入してみたい。展示も観てみたかったなぁ〔ソニービルの告知〕。今年のゼミ合宿はいよいよ東京か? (^_^;;)。

ダヴィンチが描いた設計図などを綿密な考証の上3D画像化したり、複数のページにバラバラに書かれている記述をリンクさせたりしているらしい。テキスト検索などができるのかどうかは不明(どこかに書いてあるかもしれないけど)だが、もしその辺も充実しているとしたら、古典文献のデジタル化の一つの到達点を示している可能性もあり、興味深いところだ。

ちなみにこのプロジェクトでは、EDUTAINMENT (EDUcation 教育 + EnterTAINMENT エンターテインメント) を目指しているそうである。つまり、マルチメディアやインタラクティブなインターフェースなどを駆使すれば、教育効果は高まり人々が自主的に学習することを促進することができる、言い換えれば、コンピュータを使えば(従来苦痛でしかなかった)勉強が楽しくなるのだ!という主張のことである。エデュテインメントで検索してみればわかるが、けっこう盛んに研究・開発され、実践されている(それ以外にも、「教育工学」などのキーワードで検索してみよう)。一方で、『コンピュータが子供たちをダメにする』のように、この手の主張を真っ向から否定する論者も(多くはないが)いる。

現在、情報歴史学コースの3回生ゼミでは、高度な歴史学的な知識に裏打ちされた(かどうかはわからないが (^_^;; 少なくともそれを目指した)3Dコンテンツなどを学部学生や一般向けに作ることで様々な効果が期待できる、というプレゼンをする学生が何人かいる。それはそれでOKなのだが、上に挙げたような議論があることを一度深く考えてみる必要はあるだろう。博物館学などにおける同様の議論も参考になるはずだ。

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