今年も無事、3名の卒業生を送り出すことができた。卒業おめでとう!
卒業式の式辞と言えば退屈なものと相場が決まっているし、そもそも毎年卒業式に出続けている身としては(卒業生たちと違って)新鮮さもないわけだが、今日の同窓会長の式辞は、私が情報歴史学ゼミでずっと言い続けてきたことに重なるような気がして、ちょっと感慨深かった。
…臨済禅師がまだ若かった頃、ある寺の住職に手紙を届けるお使いを頼まれた。その寺に行って玄関番に手紙を渡すと、その玄関番は恭しく手紙を受け取った。そして玄関番は臨済に言った。「この手紙は確かに受け取りました。ところで、あなたの手紙は?」…
歴史研究においては客観的、実証的であること、主観的でないことが求められる。「君の考えを聞きたいわけじゃない、史料にはどう書いてある?」云々。一方、私はゼミで何度も「どうしてそれをやるのか?」「どうしてそのデータベースを作るのか?」を何度も問うてきた。玄関番の「あなたの手紙は?」とある意味同じだ。両者は一見対立するようだが、決してそうではない。
ともあれ、卒業おめでとう!
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