歴史学を含む人文諸学に関するオンラインリソース集成として有名なアリアドネが、「ご自分の専門分野の記述に関して、ウィキペディア日本語版をどう評価されますか?」というアンケートをしている。ネットのあちこちで行われた同種のアンケートを受けてのものだ。
ウィキペディア日本語版は言うまでもなく、インターネット上の有志がよってたかって作ってしまったオンライン百科事典である。学生諸君の中には、レポートを書く際にお世話になったという者も少なくないだろう。他のアンケートでは肯定的な評価が目立つが、アリアドネでのアンケート結果を見ると、はっきり言ってぼろくそな評価が多い。アリアドネは、その性格上、人文学の研究者が偏って集まるところだろうから、ウィキペディアの人文系のエントリはだめだめということなのだろうか?
ウィキペディアは、情報歴史学研究室: 広告を試してみるで少し触れた Web 2.0 の代表選手のひとつ。ウィキペディアが Web 2.0 という名で喧伝され、高く評価されているのと、アリアドネでの低い評価は、非常に興味深い対照をなしている。そしてこのコントラストは、誰のために、何のためにデータベースや3D画像を作り、公開するのか?という情報歴史学のスタート地点を考える上で、とても多くの示唆を与えてくれる。
何が問題なのか、どうしてこのような正反対の評価になるのか等々については、ゼミの中で議論したいと思うので、考えておいてね。
2 comments:
とっくにやってることかもしれませんが、ゼミの課題として、まだ存在しない Wikipedia のエントリを学生がそれぞれ一つずつ作成して、それを1年間メンテナンスし続けるなんてのはどうでしょう。
1年間の間にどれだけの人に、どのように変更されていくかを学ぶことができます。
コメントありがとうございます。
この課題はやったことがありませんが、おもしろそうだと思って、ちょっと調べて見ました。
結果は、さすがに20万エントリもあると、「まだ存在しないエントリ」を探すのが結構難しく、課題としては結構ハードルが高いかな?という印象です。1年間メンテするには、それなりにおもしろくないとだめですしねぇ。
ということで、研究会のネタにでもしようかと思ったりしました。どうでしょう?>研究会の方
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