花園大学歴史博物館2008年度秋期企画展「京(みやこ)を掘る -今解き明かす平安貴族のくらし-」で上映しているムービーを、Youtubeで公開しています。情報歴史学コースの学生有志による力作です。
花園大学 文学部 史学科/文化遺産学科 情報歴史学コースと情報歴史学研究会のためのブログ。コンピュータを利用して歴史学およびその周辺の領域をハッピーにできないかという目的のために日々、教育と研究に右往左往しているが、その途中経過を一部、白日のもとに晒してしまおうという自虐的な試みだったりする。
Tuesday, October 21, 2008
Sunday, October 19, 2008
史料学・史料編纂における知識論的転回
国立情報学研究所の情報とシステム2008というイベントで、情報歴史学系の講演があるようなので、紹介しておきたい:
上の概要で名前が出ているダント、ホワイト、ラカプラの本をあげておく:
- 横山伊徳(東京大学 史料編纂所 教授 所長)
「史料学・史料編纂における知識論的転回について —記録史料管理論と歴史知識管理論のはざま—」 - 柿沼澄男(国立情報学研究所 情報社会相関研究系 教授)
「人文・社会科学と情報学の共同研究」
- 横山伊徳「私のデジタル化戦略 コンピュータで史料編纂所の二〇年を歩む」(『歴博』140号、2007年)
- 北條勝貴「言語論的転回と歴史認識/叙述批判—現状の整理と展望—」(『GYRATIVA』1号、2000年)
アナール学派をはじめとする〈新しい歴史学〉の潮流以降、歴史学という学問分野の枠組みを相対化し、理論的に激しく動揺させた問題に、主にアメリカを舞台に惹起した〈言語論的転回〉による歴史認識・歴史叙述批判がある。それはポスト・モダニズム的テーゼに触発された素朴実証主義批判で、ダントやホワイトによって歴史の物語性が暴露されたことに端を発し、ラカプラの主導により伝統的歴史学やアナール学派的社会史への激しい攻撃へ成長した。これらのなかで示された議論の大半は、歴史学者の経験主義、自己の分野のみにしか通用しない閉鎖的価値観・基準に基づいており、言語論的転回の根本的批判力には答ええていなかった。この論争を流行に終わらせることなく、歴史学が自らの方法を批判する認識論的基盤を、隣接諸科学の診断基準にも対応しうるものとして確立してゆくことが急務である。
上の概要で名前が出ているダント、ホワイト、ラカプラの本をあげておく:
Monday, October 13, 2008
HCP: Humanities CyberPlatform
林晋先生からご紹介いただきました。「史学・古典学・文学などにおけるデジタル画像の利用スタイルを一新することを目指すプロジェクト」との由。
“人文学とコンピュータ”業界では、必ずしも「実用」を目的としていないツールが(例えば工学系の研究者の発表ネタとして)たくさん開発されては消えていくという現状が(残念ながら)あるわけだが、このHCPは「Hilbert日記研究ではすでに実用ツールとして使用されている」とのことなので、その点では信頼できると思う。解説ムービーがたくさんあるので、ざっと見るだけでも勉強になる。
“人文学とコンピュータ”業界では、必ずしも「実用」を目的としていないツールが(例えば工学系の研究者の発表ネタとして)たくさん開発されては消えていくという現状が(残念ながら)あるわけだが、このHCPは「Hilbert日記研究ではすでに実用ツールとして使用されている」とのことなので、その点では信頼できると思う。解説ムービーがたくさんあるので、ざっと見るだけでも勉強になる。
Tuesday, October 07, 2008
「デジタル情報技術が拓くアーカイブズの可能性」のレポート
情報歴史学研究室: デジタル情報技術が拓くアーカイブズの可能性で紹介したイベントであるが、コメンテータの岡本さんが簡単な報告をして下さっているので、リンクをはっておく。
こういう風に、即座にレポートがあがるのはありがたい。ところで「あくまでノートから起こしたものなので、実際の発言内容とまったく同じではない」とのことだが、
こういう風に、即座にレポートがあがるのはありがたい。ところで「あくまでノートから起こしたものなので、実際の発言内容とまったく同じではない」とのことだが、
一つのアイデアとして、デジタルアーカイブズを見るもの/読むものとしてではなく、言及・引用するものへと変えることがある。という部分はちょっと気になった。「見るもの/読むもの」と「言及・引用するもの」との違いがよくわからない。引用されるということは読まれるということなのではないだろうか? 読むということとは別に、言及されるということはあるのだろうか? 後藤先生に今度聞いてみよう。
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