Monday, March 24, 2008

歴史資料や文化遺産をデジタル化する意義とは?

詳しく書いている暇がないのだが(涙)、とりあえず忘れないうちに:
カレントアウェアネスはRSSリーダに登録しておきたいサイト。

Monday, March 17, 2008

2007年度学位記授与式

今日は卒業式でした。おめでとう!
ちょっと前に開かれた卒業判定の会議(そこで、皆の卒業が決まるのだよ)で、この3人のうちの1人の成績の順位が「1」と書いてあったので、もしかして情報歴史学コース初の史学科総代か?と思ったけど、勘違い、というか算出方法が違う順位だったようです (^_^;; まあ、順位が何番であれ、これから社会に出て、大学4年間で学んだことを活かすことができたと思う瞬間があれば、教員としてはこの上なくうれしいことです。

# ビンタもらいにいけなくてごめんね>つっちー

Saturday, March 08, 2008

東洋学へのコンピュータ利用 第19回研究セミナー

東洋学へのコンピュータ利用 第19回研究セミナーの案内が出ました。「19回」という回数からもわかるように、パソコンやインターネットが普及する前から続いている老舗イベントのひとつです。私も発表しますので(中国文学関係だけど)、皆さんもぜひご参加を。

東洋学へのコンピュータ利用 第19回研究セミナー

  • とき: 2008年3月21日(金)10:00〜17:20
  • ところ: 京都大学人文科学研究所本館(新館)1Fガラス張りセミナー室
  • 主催: 京都大学21世紀COE「東アジア世界の人文情報学研究教育拠点」
    京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター
  • 問い合わせ: diccs@kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp
プログラム
  • 10:00〜10:10 開会挨拶
  • 10:10〜10:50 神と神、榊と榊 —常用漢字表拡大のインパクト—
    安岡孝一(京都大学)
  • 10:50〜11:30 文字研究とデジタルアーカイブの現状と課題 —HNGによる白氏文集の研究—
    當山日出夫(立命館大学)
  • 11:30〜12:10 中国古典戯曲文献の韻律の数理的分析に向けて
    師茂樹(花園大学)・千田大介(慶應義塾大学)・二階堂善弘(関西大学)・山下一夫(神田外語大学)・川浩二(早稲田大学)
  • 13:30〜14:10 春秋日食再考 —日出帯食と日入帯食について—
    山本一登(京都大学)・谷川清隆(国立天文台)・相馬充(国立天文台)
  • 14:10〜14:50 Improving Findability: Faceted Search with Lucene, Solr and VUFind
    Christian Wittern(京都大学)
  • 14:50〜15:30 甲骨文字処理にまつわるエトセトラ
    守岡知彦(京都大学)
  • 15:50〜16:30 人文科学のためのデジタルアーカイブにおけるコンテンツのサイクル
    永崎研宣(山口県立大学)
  • 16:30〜17:10 漢字字形管理環境GlyphWiki(グリフウィキ)
    上地宏一(二松学舎大学)
  • 17:10〜17:20 閉会挨拶
次の日の「キャラクター・身体・コミュニティ〜第2回人文情報学シンポジウム」とハシゴするのも、また麗しいのではないかと (^_^;;

Tuesday, March 04, 2008

方法としてのGIS

GISが暗黙知を明示する: やまもも書斎記に書かれていることは、まさに情報歴史学の大きなテーマのひとつ。當山先生曰く:
GISは、従来の学知の暗黙の部分を暴露する、極限すれば、このようにいえるだろうか。
この指摘は、私が『歴博』に書いた「情報歴史学の教育に挑む」の次の部分と通じるところがあるように思う。
筆者の考える情報歴史学は、まず第一には、歴史学のある研究分野の方法論や伝統について分析し、それをコンピュータを使って記述する(≒データベースを作成する)という学問である。それは、対象となった研究分野の研究者から見ればツールが提供されたように見えるだろう。しかし、データベースとして表現された方法論や伝統が暗黙のものであった場合、それが視覚化されることによって新たな議論、すなわち方法論的な反省が発生する契機となる場合もあろう。それを ふまえて第二には、従来の研究方法を相対化できるような新しい方法を模索し、それによって歴史学の研究を行うことである。以上のことから、筆者は、情報歴史学は補助学ではないと考えている。
やまもも書斎記は、情報歴史学コースの学生にとって、RSSリーダー等で常時チェックすべきブログ。

Sunday, March 02, 2008

キャラクター・身体・コミュニティ 〜 第2回人文情報学シンポジウム

以前、『人文情報学シンポジウム報告書』をゼミで配布しましたが(読んだ?)、その続編に当たる下記のイベントを開催します。ぜひ参加して下さい。

キャラクター・身体・コミュニティ 〜 第2回人文情報学シンポジウム

  • 日時:2008年3月22日(土)9:25〜18:00頃
  • 場所:京都市国際交流協会・第2会議室(地下鉄東西線・蹴上駅 徒歩6分)
  • プログラム(予定)
    • 守岡知彦「キャラクターの憂鬱」
    • 白須裕之「歴史記述における情報概念について」(仮題)
    • 小形克宏「「正字」における束縛の諸相」
    • 師茂樹「暴流の中で: 一般キャラクター論から見たキャラ/キャラクター論」
    • 石田美紀「声とキャラクター: 音響と視覚における融合と乖離」(仮題)
    • パネルディスカッション
      • パネリスト: 石田美紀/伊藤剛/小形克宏/白須裕之/守岡知彦
      • 司会: 師茂樹

情報歴史学的に特に重要なのは、白須さんの「歴史記述における情報概念について」でしょうか。歴史学者がやりとりしている「情報」とはどういうものなのかについての発表。

私も発表しますが、ちょっと歴史学からは離れてしまいます。元々、文字処理研究を進めていたらマンガのキャラクター論にたどりついた、という経緯だったりするんですが。課題図書はこちら:

情報歴史学とか関係なしに、ぜひ読んで欲しい一冊。

Saturday, February 23, 2008

発掘現場3DCG(改訂版)をお披露目

花園大学 発掘日誌: 現地説明会にも記事がありますが、今日、平安京二条三坊八町の発掘調査の現地説明会がありました。自適館300教室がいっぱいになるくらいの人が見に来ましたが、残念ながら花園大学の学生は数人って感じでしたね。情報歴史学コースの学生は残念ながら1名も来ませんでしたが(涙)、来年度から情報歴史学コースに来る予定の1回生が1名(たぶん)来てくれてました。

今回、現地説明会にあわせて、突貫工事で(一週間で!)復元CGを作り、ほんの数分ですが説明会でお披露目しました。作成期間が短かったこともあり結構いいかげんなところがたくさんあるのですが(どこがいいかげんなのか当ててみよう)、評判は上々だったようです。

今回は現地説明会用ということで、Google Sketchup 6だけを使ったざくっとした復元でした。このソフトは、こういう用途には本当に便利。しかしこれからは、高橋先生とかとも話し合って、方向性などをきちんと決めてからちゃんとしたCGを作りたいですね。その際、情報歴史学研究室: 発掘現場の写真撮影での写真を使った地形の復元も必要になってくるでしょう(と言うか、そのために写真を撮ったんだけど)。

学内で発掘をして、それを学内でCG化できる(しかもスタッフはほとんど教員と学生)ってのは、けっこう珍しい例だと思います。

Wednesday, February 13, 2008

第2回 文化遺産のデジタルドキュメンテーションと利活用に関するワークショップ

情報歴史学研究室: 【イベント】第1回 文化遺産のデジタルドキュメンテーションと利活用に関するワークショップで紹介したイベントの第2回目です。今度は奈良で、3月8〜9日の2日間。
私は残念ながら、9日には別件(やはり奈良で発表)があるので参加は無理なんですが、8日には都合をつけていきたいなぁ。

写真測量やデジタル高槻城など、ゼミでやったことや卒論のテーマに関係する発表もあるようですね。皆さん、都合が付くならぜひ参加しましょう。

Wednesday, February 06, 2008

口頭試問終了(2007年度)

2月6日、情報歴史学ゼミ生の卒論口頭試問が終わった(他のゼミはまだ終わってないが)。以下、簡単に講評。

川端康司「歌川広重『名所江戸百景』における色が鑑賞者に与える影響」

SD法を使ったアンケートによって、広重の作品における赤色がどのような影響を鑑賞者に与えているのかを研究した論文。先行研究をよく調べ、着実にやってきた点は評価したい。

この論文の問題点をあげれば、現代人の感性についての研究なのか、美術史的な研究なのかについて、きちんと区別されていないという点であろう。前者であれば広重の作品を使う理由を美術史の先行研究だけで言うことはできないが、この論文では美術史関係の先行研究の整理が中心である。逆に、美術史的な(歴史的な)研究であれば、アンケートをベースにした方法は意味がない。

副査の福島先生が言って下さったように、自身の「感性」を無批判に作品分析に適用してしまう美術史の研究者が実際におり、その人たちの態度を「勉強」してしまったのかもしれない。

土屋美穂「キトラ古墳の三次元復元と公開・利用に関する研究」

当初、3DCGを作成することを目標にしていたのだが、間に合わなかったのが残念。これから作るとのことなので、ぜひ卒業までに完成させて欲しい。

内容的なことを言うと、先行研究の調査については副査の高橋先生(昨年まで奈良文化財研究所にいて、今もキトラの調査に関わっている)からお褒めを頂く程なので、よくがんばったと思う。もっとも、本論文においては復元と保存がごっちゃになっており、復元に関する先行研究(情報の欠如部分を埋めるための周辺情報など)が少ないのが残念。このような混同は、実際に3DCG作成を始めていれば自ずと気づき、解消される部分であると思うので、繰り返しになるがCGの開発に入れなかったのが惜しまれる。

文字利光「丹波国分寺のCG復元とその問題」

こちらも上の土屋論文同様、CGを作れなかったこと、そのために復元と保存を混同するミスを犯していることが問題点として指摘できる。

加えてこの論文では、作成したCGを学校教育や博物館展示などで利用する場合を想定した議論を行っているのであるが、その中で「博物館には人が来ないとはじまらない」→「そのためには楽しさ、エンターテインメントの要素が必要」という議論を展開している。このような提言は、特にかつて「マルチメディア」が流行した頃、博物館情報学や教育工学などにおいてさかんに言われたことであるのだが、真に受けない方がよいのではないか、少なくとももう少し批判的に検討すべきだったのではないか、と思われる。

山本拓矢「GPS活用による姫街道研究」

GPSを手に、実際に姫街道を踏破した努力は買いたい(ケモノ道のようなところまで分け入ったとのこと)。ただ、そうして作ったデータが、実際の姫街道研究にほとんど活かされていないのは残念(山本さん曰く、GPSのデータよりも、データを取りに現場に行ったことでわかったことの方が大きかった、との由)。

先行研究の整理の部分については難点が多い。姫街道関連の先行研究をまとめる作業は割に早めに終わっていたのに、周辺分野の先行研究の調査がほとんどなされていなかったり、また先行研究から問題の所在を導くのも、時代が異なるものを一緒くたにして論じているところがあるなど、適切ではない部分も見受けられる。

Thursday, January 31, 2008

カニ温泉ゼミ旅行

1月29〜30日、かねてより4回生が(卒論をがんばるためのニンジンとして?)計画していたカニ+温泉旅行に行ってきたのでご報告。

29日朝9時集合。30分遅刻野郎が1名いたが、無事全員揃い、3台の車に分乗していざ出発。めざすは山代温泉、お宿は彩華の宿 多々見。

宿到着後、一部有志により那谷寺へ。ここは白山信仰の祖、泰澄が開いたとされるお寺である。境内には奇岩の霊場があり(写真)、山岳信仰チックな雰囲気満点であるが、標高はそれほど高くない。

宿に帰ったら、すでに浴衣男子による温泉麻雀大会が始まっていた (^_^;;

夕食はお目当てのカニ尽くし。メンバーの半数以上が食べきれないほどのヴォリューム。

その後、部屋に帰って、麻雀やらXBOXやら露天風呂やらで楽しいときを過ごす。

30日、チェックアウト後、まずは日本自動車博物館へ。クラシックカーが所狭しと敷き詰められており、展示というよりガレージの雰囲気(でも建物は洋館風)。たぶん学芸員さんとかはいないんだろう。車好きにはたまらんけど (^_^;;

写真は現存する唯一の日本陸軍95式小型乗用車(くろがね四起)。タミヤのプラモデルでしか見たことがなかったので、ちょっと感動。天井ギリギリの不自然な展示(どうやったんだろう (^_^;;)は、この車がデモンストレーションでこういう階段を上り下りしたというエピソードに因むのだろう。


次に、福井県立恐竜博物館。ここは建物がすごく未来的でかっこよく、展示もロボットやらCGやらで工夫されており、かなりお金がかかってる感じ。でもやっぱり、恐竜と言えば骨だろ!ということで、骨写真撮りまくり。


そんなこんなで非常に充実した2日間でした。

Friday, January 25, 2008

発掘現場の写真撮影

花園大学 発掘日誌: 写真撮影に便乗して、情報歴史学コースでも新校舎予定地の発掘現場の写真撮影をしてきました。我々の目的はPhotoModelerなどを使った写真測量がメインですが、いずれは三次元CGによって平安時代の邸宅等を復元するための調査も兼ねてたりします。

最初に櫓に登って全体像の撮影。櫓はこんな感じ(上にいるのは高橋親分と子分の学生さん):

登るとちょうどJRの高架と同じぐらいの高さ。誰かが動くたびにゆれる。「怖いよー怖いよー」と言ってると、高橋親分曰く「え?本当に怖がってるの?皆さーん、もろ先生が本気で怖がってるよー」って、あんたなぁ (^_^;;

シャッターを切る手が震える…のではなく、恐怖で足を震えさせながら何とか撮影。降りるときはこんな感じ(いっしょに登った鹿谷君):

この上り下りで、何度家族の顔が浮かんだか(涙)。

櫓から全体像を撮った後は、地上から黙々と撮る。福島先生にお願いして博物館からCANON EOS 5Dを借りることができたので(お手伝い頂いた志水さん、ありがとうございます)、4GB弱の写真を撮ることができました。

Sunday, December 23, 2007

デジタルアーカイブの「標準化」に向けて

東京でこんなイベントがあるそうです。

東京大学大学院情報学環・学際情報学府学際情報学専攻
21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」
 第14回シンポジウム

デジタルアーカイブの「標準化」に向けて
〜次世代アーカイブとユビキタス技術が拓く未来〜

概要
 21世紀、人間社会のあらゆる場面においてデジタル化された情報
を活用するユビキタス情報社会へと向かおうとしています。そのた
めに必要な要素技術は着実に開発が進んでおり、様々な実証実験を
通じてその技術的な実現性が確かなものとなってきています。そし
て、ユビキタス情報社会基盤を活用した様々なサービス(ユビキタ
スサービス)が社会に普及し、私たちの日常生活を豊かにする日も
近づいております。また、携帯電話やICカードといった先行事例に
みられますようにユビキタスは強い革新性を持っており、単に便利
というだけでなく様々な分野において変革をもたらすものと考えら
れます。

 本シンポジウムでは、これまでのユビキタスサービスを俯瞰しつ
つ、ユビキタス情報社会基盤がもたらすサービスへのイノベーショ
ンについて議論したいと思います。そして、ユビキタスサービスが
社会に普及するための課題を探ります。

開催要項

日時
平成20年1月15日(火) 午後1:30 〜 午後6:00 (開場 午後0:00)

会場
東京大学 鉄門記念講堂
  (東京大学へのアクセス)
  http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
  (鉄門記念講堂(医学部教育研究棟)へのアクセス)
   http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_09_j.html

プログラム

  受付開始  12:00(アーカイブデモタイム 12:00−13:30)
  開演    13:30
  開会挨拶(吉見俊哉) 13:30−13:40
  (東京大学大学院情報学環長)
  基調講演(坂村 健) 13:40−14:20
  (東京大学大学院情報学環副学環長・教授、
   東京大学21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」
   拠点リーダー)

  報告(田良島哲) 14:20−15:05
  (独立行政法人 東京国立博物館)

 (休憩・アーカイブデモタイム  15:05−15:45)

  パネル討論      15:45−17:45
  (田良島哲・小川千代子・加茂竜一・杉本重雄・
   馬場章(コーディネータ))
   小川千代子(国際資料研究所)
   杉本重雄 (筑波大学)
   加茂竜一 (凸版印刷株式会社)
    コーディネータ:馬場章
    (東京大学大学院情報学環教授、東京大学21世紀COE
     「プロジェクトA」責任者)


  閉会挨拶(馬場 章) 17:50−18:00


主催
東京大学21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」

共催
凸版印刷株式会社

入場
無料

お申込み方法
定員:300名(先着順)
申し込み先:coe-symposium14@ubinsoc.org

 氏名・所属・連絡先をご記入の上、上記の電子メールアドレスで
お申し込みください。なお申し込みの受け付けのお返事はいたしま
せん。定員が超過しお断りする時のみご連絡いたします。
 お申し込みの時にご記入いただきました個人情報につきましては
、本シンポジウムの参加者管理の目的以外には使用いたしません。
 会場には駐車場はございませんので、車でのご来場はご遠慮くだ
さい。
 事前申し込みをしていない場合でも、当日シンポジウム会場に余
裕があれば参加していただけます。
 手話通訳や要約筆記等のサポートが必要な場合は、申し込み時に
お申し出ください。

Thursday, December 20, 2007

Saturday, December 15, 2007

「展示と来館者をつなぐ」ことの難しさ

みんぱくゼミナール 第355回「展示と来館者をつなぐ―みんぱくにおけるミュージアム・コミュニケーション」に、ゼミ生T君と参加する。開会に先立って、ゼミナールに10の倍数回出席した人を表彰していたのだが、120回出席していた人がいてビビる。月に1回として、10年近く来ておられるということになる。すげー。

それはともかくゼミナールであるが、興味深かった点を列挙しておくと、
  • 博物館に来る人は、必ずしも知的な学習を求めているわけではなく、人とのつながりを求める(デート? (^_^;;)/非日常的な体験を求める/自分探し等々のために来る人もいる。典拠はこれ:

  • 展示者の意図とは違うところで客が満足することもある=インタラクティブ・ミスコミュニケーション(橋本裕之「物質文化の研究」〔『民族学研究』62-2〕)
  • 展示される側からの異議申し立て→展示される側の展示作業への参加
    • 「展示と来館者をつなぐ」というタイトルの講演だったためか、「展示される側」の視点はちょっと曖昧だった気もする。
  • 展示する側(博物館や研究者)/展示される側/展示を見る側の三者がモノの価値づけ、解釈、記憶の付与に平等に参加できる場としての博物館。
    • もし「平等」を追求するのなら、博物館という価値づけのシステムの存在自体がある限り、展示する側と展示される/見る側との非対称はどんなに工夫しても解消されないように思う。それを隠蔽して(博物館を自明のものとして)「平等」を目指すより、博物館の権力性を可視化する方がいいような気がするが、いかがだろうか?
    • ちなみに、民族誌において似たようなことを目指している川村清志さんらのチームの活動は参考になるだろう(最近の成果だと、じんもんこん2007の岩谷洋史・川村清志・星野次郎・行木敬・大崎雅一・森下淳也「人類学研究支援環境DWB による調査資料の詳細化と客観化―部分と全体の視点を許容するDWB―」など)。情報歴史学研究室: 電子メディアを飼いならすも参照。
この講演を聴きながら頭に浮かべていたのはWikipediaやニコニコ動画など。T君と“ニコニコ展示”は可能か?可能だとしたらどうやってやるか?なんて議論をする。

ゼミナールの後、常設展示や企画展「世界を集める−研究者の選んだみんぱくコレクション」でPSPを使った閲覧支援システムを体験する。常設展示における「動画も見られる音声ガイドの拡張版」としてのPSPはなかなかよいと思ったが、企画展の方のPSPは正直、必要性を感じられなかった。情報歴史学コースでも携帯電話を使った閲覧支援システムを作った時があるし、今度はiPod touchを使って作ってみようかな、なんて考えていたのだが、改めて難しさを痛感する。

帰りしな、珍しく?黒山の人だかりができていたので、何だろうと思ったら万博記念公園では今日からライトアップらしい。

Saturday, December 08, 2007

第12回情報知識学フォーラム:簡単なレポート

情報歴史学研究室: 2007年度 第12回情報知識学フォーラム 〜情報の発掘と再生〜に行ってきたので、簡単な報告…と言っても、昼まで大学で用事があったので、聞けたのは2番目の五島さんの発表の途中から。

朽津信明「蘇る古墳壁画の世界—装飾古墳のデジタルコンテンツ化—」

上に書いた通り聞けず(3DCGを使うものらしい)。すまん、つっちー。論文は今度のゼミに持って行くので許してね。

五島敏芳「アーカイブズ情報の電子化・保存と共有化動向」

この発表については途中からだったということもあるし、五島さんの発表は歴博の共同研究班などで何度か聞いていたりもするのでここでは書かない。

ただ、彼が最近ひっぱりだこの人であることについては指摘しておきたい。最近、「デジタル・アーカイブ」という言葉をよく耳にするが、アーカイブの本来の「(公)文書の(永久)保存」という意味でのデジタル・アーカイブは驚く程少ない。不思議なことに我が国では、文化財のデジタル化という程度の意味で「デジタル・アーカイブ」という言葉を使ってしまっている(私も、あまり使いたくはないが、そういう用法で使うことがある)。五島さんは、本来的な意味でのデジタル・アーカイブについて語れる数少ない人だったりするので、ひっぱりだこなのである。

江草由佳「戦前期教科書の電子化・保存とその応用」

「電子化・保存」の話はなつかしい感じ(マイクロフィルム+PDF)。むしろ、その前段階で概説された研究対象(資料)としての教科書の話はおもしろかった。資料としての教科書の価値は、レアだから価値があるという文化財的なものではなく、ある世代のほとんどの人が目にしているという圧倒的な普及率を誇るメディアであるという点であるとのこと。確かにそうだ。

あと、個人的には、サンプルとして回覧された満州国の教科書にあったモンゴル相撲の記事が気になった (^_^;;

矢野環「古典籍からの情報発掘—再生そして生命誌、ネットワーク—」

一番楽しみにしていた発表。バイオ・インフォマティクスなどで使われる数理モデルを文献学に応用したり、茶人の人間関係をグラフ・ネットワークとして分析する、というもの。意外に思われるかもしれないが、DNAはGCATの四文字で書かれたテキストなので、テキスト・データベースの技術(全文検索とか)がそのまま応用されているし、写本を比較して伝写系統を分析するみたいなことと同じようなことも行われており、そのためのツールもたくさん公開されている。文献史学の史料批判などにも充分応用可能な方法なのである。

休憩時間に矢野先生とちょっと議論したのだが、数理的なモデルで出てきた結果をどう評価し、解釈するかについては、はっきりとした方法は見出されていない。今後、考えていきたいところ。

田良島哲「文化財情報の発掘と再生—「モノ」と「テキスト」のはざまで—」

文書がどのようにして「古文書」になり、後に研究者が「史料」として見出して、場合によっては国宝などになったりするのかを概説した上で、史資料のデジタル化には各分野(文献史学、書誌学、古文書学、考古学etc...)の方法論に基づいた「見る目」の共有が必要なのではないか、と問題提起。

方法論の(コンピュータを考慮した)共有には、方法論の形式化ないし記述が必要なわけだが(上の矢野先生が使っている数理モデルは、文献学の一部を数学的に形式化したものとも言える)、これが一筋縄ではいかないですよねー、という議論を、会終了後、ほんの短い時間ではあったが田良島さんとすることができた(文書などの材質に関しては、客観的な記述が非常に難しいらしい)。

こういう議論ができるのが、ライブで発表を聞く醍醐味である。遅刻しちゃったけど、行ってよかった。

Wednesday, December 05, 2007

「漢字文化三千年」 国際シンポジウム

情報歴史学研究室: 12月の関連イベントに追加情報。以下のイベントが京大で行われるようです。

漢字文化の全き繼承と發展のために
京都大學21世紀COE 東アジア世界の人文情報學研究教育據

「漢字文化三千年」 国際シンポジウム

セッション一:漢字と情報学—新しい世界へ
プログラム
  京都大学 国際交流ホール
  14:00 ~ 17:00
  • 「仏教学文献研究におけるコラボレーションの可能性と問題点について」
    永崎研宣(山口県立大学)
  • 「「心」の問題 − 文学研究のための資料をめぐる一考察 −」
    明星聖子(埼玉大学)
  • 「A scheme of Chinese conceptual schemes: the Thesaurus Linguae Sericae」
    Christoph Harbsmeier (何莫邪)(オスロ大学・北京大学)
  • 「唐代研究ナレッジベースからの教訓」
    ウィッテルン クリスティアン (京都大学)

Wednesday, November 28, 2007

構築主義の入門書

今週火曜日の3回生ゼミで赤間亮・川村清志・後藤真・野村英登・師茂樹「人文科学にとっての“デジタルアーカイブ”」(『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』、IPSJ Symposium Series Vol. 2004, No. 17、2004年12月)の私の「問題提起」を読んでいる際、構築主義について簡単に説明した(デジタルアーカイブの主な対象になる「古典」とか「名作」というものは、作品そのものに原因がある(=本質主義)のではなくて、社会的に構築されたものである、というような文脈)。

そこで紹介した構築主義の入門書をあげておこう:

Thursday, November 22, 2007

Canvas使えるかも

HTMLの次期バージョン「HTML 5」というのが開発中である。
その中にcanvasというタグがあって、これの表現力がけっこうすごい。下にあげたようなやつがぐりぐり動く(対応ブラウザはFirefox、Safari、IE。IEはプラグインがいるらしい)。



Web上で図や3Dを表示するのはいろいろあったけど、これだけのことができて、しかもGoogle大将軍が肩入れしているとなると、かなり有望かもしれない。

Tuesday, November 20, 2007

12月の関連イベント

ちょっと間が空いてしまいました。12月の情報歴史学関連イベントをリストアップします。12月は毎年、イベントラッシュですが、今年は関東によってますね。

なお、3回生はどれか(関連するものであれば、下記以外のイベントでも可)に参加してレポートを書いてもらうことになります。

Monday, October 15, 2007