- [巻頭言]鈴木卓治「地道にそして着実に」
- 田良島哲「コンピュータ、ネットワークと歴史研究 —これまでとこれから—」
- 横山伊徳「私のデジタル化戦略 コンピュータで史料編纂所の二〇年を歩む」
- 師茂樹「情報歴史学の教育に挑む」
- [コラム]照井武彦「歴博コンピュータ奮戦記」
- [コラム]五島敏芳「真の〈デジタル〉アーカイブ構築への挑戦 —資料目録電子化の現場から」
この中では、「情報歴史学は補助学か?」という問い(この問いについては、ゼミの中で何度か議論したことであるが)に、次のように答えてみた。
筆者の考える情報歴史学は、まず第一には、歴史学のある研究分野の方法論や伝統について分析し、それをコンピュータを使って記述する(≒データベースを作成する)という学問である。それは、対象となった研究分野の研究者から見ればツールが提供されたように見えるだろう。しかし、データベースとして表現された方法論や伝統が暗黙のものであった場合、それが視覚化されることによって新たな議論、すなわち方法論的な反省が発生する契機となる場合もあろう。それをふまえて第二には、従来の研究方法を相対化できるような新しい方法を模索し、それによって歴史学の研究を行うことである。以上のことから、筆者は、情報歴史学は補助学ではないと考えている。私が書いた記事以外も(の方が?)おもしろいので(横山先生のはなんとパンチカードから!)読んでみてほしい。
なお、情報歴史学コースについては、他にも以下のような紹介記事があったりする。
- 佐藤誠・田中正流「花園大学「情報歴史学コース」の現状と課題」(『漢字文献情報処理研究』4、2003年)
- 師茂樹「情報歴史学のこれから 花園大学・情報歴史学コースの4年間をふり返って」(『漢字文献情報処理研究』7、2006年)
2 comments:
早速(ここを読んですぐ発注)、取り寄せて拝読しました。なかなか面白いですね。
どもども、ご購読、ありがとうございます。
Post a Comment