Saturday, February 11, 2006

口述試問終わる

情報歴史学ゼミの卒業論文の口述試問が終わった(他のゼミはまだやってるけど)。メーリングリストで服装の話が流れたせいか、大半のゼミ生がスーツを着ており、事情がわからない他の先生は奇妙な印象を受けたようだ (^_^;; 「(情報歴史学コースは)マニアックなやつが多いから(スーツを着てくるやつが多い)」とおっしゃっていた先生もいたが、それは誤解です (^_^;; >某先生

それはともかく、今回の口述試問如何では卒業ができない可能性もあるうえ、普段はあまり接することのない副査の先生もいらっしゃったおかげで、ゼミ生諸君は結構緊張していたようである。実際、副査の先生方には、私が普段はしないような指導をいろいろして頂くことができ、非常に有益だったと思う。しかし、それらの条件を除けば、普段ゼミの中で要求していることを、口述試問の場でも再度、要求したにすぎない。
  1. 適切に問題を形成できているか?(問題意識、研究史の批判、要求の分析など)
  2. 問題を解決するための方法は適切か?(対象や方法のモデル化など)
例えば、これまで多くの研究者がすでに言っていることと同じ結論を出しても(こういう卒論はなんと多いことか!)、1つ目の要求を満たすことができないので、当然そこには色々と文句を言うことになる。どんな小さなことでも、これまで一度も問題になっていない、しかもそれを解決することが世の中が少しでもハッピーになるような問題を自分で作り出し、それを皆が共有できる形で文章にするのが卒論の第一歩なのである(これについては卒業論文を書くということとレヴィ=ストロースで書いた通り)

また、例えば書誌データベースを作る際、誰が利用するのか(研究者?学生?一般の人?)、どんな用途に使うのか(検索?研究史の分析?)などによって、使うソフトウェア、属性やらインターフェースやらの設計などが概ね決まってくる。目的に必要なさそうな項目があると、本当に対象について考えているのか?解決すべき問題について理解しているのか?という疑問を持たざるを得ないわけで、そこをゼミ発表や口述試問では突っ込むわけである。

今回提出された卒論に関しては、このブログで簡単な講評をしたいと思う。乞うご期待。

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