Wednesday, March 31, 2010

今年度の研究会の成果(まだ途中)

2009年度の情報歴史学研究会では、近現代史の松田先生をリーダーに、民俗学・博物館学の明珍先生や美術史の福島先生のグループと共同で、町家の復元の研究を行いました。現在、その研究成果の視覚化として3次元CGを作成しています。

完成にはまだまだ時間が必要そうですが、とりあえず中間報告がてらCGをご披露(テクスチャを貼っていないので、まだ白黒ですが、そのへんはご容赦ください)。まずは全体を通りの方から。
裏庭には蔵が三軒立っています。

玄関から中を覗くとこんな感じ。通り側は商売をやるスペースですので、オープンな感じ。

通りに面した部屋には、お会計用のスペースも(これらの位置はまだ未確定なので仮に置いてあります)。

奥の部屋に行くと、食事を作ったり食べたりするスペース。職住一体の町家ならではです。
障子の向こうに蔵が見えます。一升瓶が置いてありますが、幕末という設定なのでたぶん消去されるでしょう。

Friday, February 12, 2010

卒論へのコメント

先日、卒論の口頭試問が終わったので、簡単にメモしておく(昨年度のコメントはこちら)。下のメモは、口頭試問時に学生一人ひとり渡したものにちょっと手を加えたもの。

小川亮「地域振興のための小谷城復元3DCGの作成」

小川論文は、長浜市に残っている小谷城址を重要な文化財であるとともに貴重な観光資源でもあると考え、2011年のNHK大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』などを見据えた地域振興を目的とした3次元CGの作成について論じるとともに、実際にムービーを作成している。

浅井氏に関する先行研究が、ほぼ一人の研究者(小和田哲男氏)の議論に乗っかっているのは問題かもしれない。浅井氏を主題とした研究書等は限られるだろうが、織田信長や朝倉氏などに調査対象を広げることもできたのではないか。

地域振興についてであるが、観光協会などに事前調査はしたのか。観光学の論文を引いて「ビジュアル」の重要性を強調している点は、一般論としては有意義かも知れない。しかし、長浜市が抱えている固有の問題を、この方法で解決することができるのか。

ムービーについて、独力で作ったムービーとしては(細かい点を指摘すればキリがないが)がんばって作ったのではないかと思う。しかし、これが観光目的のムービーであると言われてもピンとこない(花大の歴博で展示したムービーに似ているが、あれは展示用)。観光目的の映像として工夫した点はどこか(例えば、教育用コンテンツとの違いはなにか)。観光情報(あるいは大河ドラマの情報)などを付け加えることはできなかったのか、など、工夫の余地がある。

大藤雄亮「江戸城の内部構造の3DCG作成について」

あらゆる点で準備不足。しかも、それはこれまで何度も指摘している。真剣に卒業論文に取り組もうとしたのだとは思えない。猛省を望む。

※ 細かいコメントは省略。

手塚宗二郎「中世の大鎧の3DCG作成とその問題点」

多くの作例を実見し、また早くから研究史のまとめに取り組み、草稿を何度も提出するなど、卒業論文にかけた労力は認める。しかし、残念ながら質的には不十分であると言わざるを得ない。

最大の問題は、「3DCG作成とその問題点」がテーマであるにも関わらず、実際のCGの制作までたどり着いていないということである。

※ 細かいコメントは省略。

本郷聡明「マルチエージェント・シミュレーションによる縄文時代の未発見遺跡推定」

国内でもほとんど事例がない歴史学におけるエージェントベース・シミュレーションの応用に取り組んだ点、特にartisocを自力でマスターしプログラミングを行った点については評価したい。また、研究史のまとめにおいても、シミュレーションを行うことを前提としたまとめとなっており、よくありがちな単なるまとめになっていない点は評価したい。

シミュレーションの本質は単純化・抽象化・モデル化であるが、それは手を抜くことではない。今回作成されたシミューレションについて言えば、研究に必要な複雑さは容認し、モデル化する必要があったのではないか、と言いたくなってしまう。例えば、地形情報は単純すぎたのではないか/エージェントの行動パターンはランダムでよかったのか。etc...

今回のモデルでは「どこにでも遺跡が存在しうる」という結論であったが、これは“こういうモデル化ではうまくいかない”という意味でバッドノウハウあるいは失敗学的な意義はあったものの、本来の目的を達成しているわけではない。時間の関係もあるだろうが、今後の工夫が必要であろう。

鹿谷慧「近世城郭史研究の傾向と課題 ―論文データベースの作成と分析を通じて―」

鹿谷論文は、近世城郭史の研究の特色をふまえたうえで、この研究分野での研究ではCiNiiなどの汎用の研究文献データベースが使い辛いことを指摘し、それに代わる近世城郭史論文データベースの作成の報告をしている。

全体としてはよくあるテーマなのであるが、まず大前提となる近世城郭史の研究史のまとめと分析が不十分であると言わざるを得ない。論文内でもほぼ同じ内容の記述が繰り返されているだけで、引用する文献数に乏しく、また近世城郭史研究の特徴としてあげられているのが「城郭統制」だけしかない。そのため、研究史の分析が、データベースの作成理由につながっていない。

研究文献データベースの先行事例としてCiNiiWebcat Plusなどの汎用的なデータベースをとりあげ、専門的なデータベースであるインド学仏教学論文データベース(INBUDS)と比較することで、前者の問題点を抽出しようとしているのは意義がある。ただし、CiNiiなどが使いづらいことが、そのまま独自のデータベースを作る理由になるわけではない。利用者として想定される近世城郭史の研究者コミュニティの分析はしたのか。想定される利用者である研究者コミュニティが抱えている問題を調査したのか。

データベースのプロトタイプを作成したわけであるが、100件程度のレコード数は、検索目的のデータベースとしては少なすぎる。また、引用文献についてのフィールドが存在しており(CiNiiがCitation Indexであることを意識したのか?)、それなりに役に立つかも知れない(研究史の分析などには使えるかも知れない)が、CiNiiが近世城郭史研究において不便であるという問題意識を解決することにはならない。

Tuesday, January 19, 2010

『人工知能学会誌』Vol. 25, No. 1は特集「歴史知識学」

あまり馴染みがない分野かも知れませんが、『人工知能学会誌』Vol. 25, No. 1 (2010年1月) で「歴史知識学」という特集が組まれています。これも情報歴史学コースの学生は必読でしょうな。
  • 石川徹也・赤石美奈「「歴史知識学」の特集にあたって」
  • 横山伊徳「史料編纂とディジタル化のメタヒストリー」
  • 若林晴子・マーティン C. コルカット「海外機関所蔵の日本史史料 ―目録編纂,ディジタル化,データベース構築の現状と課題―」
  • 安達文夫「歴史研究情報の統合検索と歴史知識」
  • 林晋・永井和・宮崎泉「文献研究と情報技術 ―史学・古典学の現場から―」
  • 田中譲・猪村元「Transmedia: 文書画像の全文検索のための知識メディア技術」
  • 柴山守「時空間概念に基づく地域・歴史事象の写像と知識獲得 ―地域情報学の視点から見る歴史知識学―」
  • 久保正敏・原正一郎・関野樹「三次元時空間モデルとその展開 ―歴史知識を構築するために―」
「歴史知識学」と言えば、言うまでもなく以下の本を思い出さないといけないですね。

「情報歴史学」と「歴史知識学」とは何が同じで何が違うのかについてはこれからいろいろ検討していきたいと思いますが、重なる部分が多く参考になるのは間違いないですし、またお互いに刺激を与え合うようなことでなければならないと思います。

ここ1年ぐらい、上の『歴史知識学ことはじめ』(2009年3月)、『情報歴史学入門』(2009年3月)、『日本歴史』で特集「日本史研究とデータベース」、そして上の特集と、なんだか歴史学におけるコンピュータ利用が続々出ている印象がありますね。

Tuesday, October 27, 2009

第29回 花園大学史学会大会

今年の史学会の大会では、我らが後藤真先生が登壇します。

第29回 花園大学史学会大会
日時:2009年11月21日(土)13:00〜16:20
会場:花園大学無聖館5階ホール
受付:12:45〜
プログラム:
  • 研究発表 13:00〜13:40
    山口洋子「京狩野派と公家後援者たち」
  • 特別発表 13:40〜14:40
    後藤真「歴史情報の総体化と可視化の試み —奈良時代における「写経の世界」を題材に—」
  • 特別発表 15:00〜16:00
    中野渡俊治「平安時代初期太上天皇制の展開」
  • 総会 16:00〜16:20
  • 懇親会 18:00〜20:00
後藤先生の発表がどんなものかはまだわからないが、たとえどんなものであっても、発表内容もさることながら、普段ゼミでやっている(説明している)情報歴史学的な論の立て方(発表の仕方、論文の書き方)について、すごく勉強になるはずだ。特に3、4回生には参考になるだろう。応援もかねて、万難を排して見に行くように。

11月〜12月の関連イベント

これから12月にかけて、情報歴史学関連のイベントが関西でも多数開催されます。うちのゼミ生にぜひ行ってもらいたいイベントをいくつかリストアップしておきます。
岡本さんはゼミ旅行でお世話になった恩義のある方です。内容もきっとおもしろい(特に学術情報の発信をテーマとして考えている学生はかなりストライクゾーン)ので、ぜひ聞きにいきましょう。

あとの3つは例年のイベントですが、今年はじんもんこんが関西に来るので、これを逃すのはもったいないですね。あと漢字文献情報処理研究会の大会は本学で開催されるので、こちらも聞きに来ましょう。

Tuesday, October 13, 2009

中間発表終わる

しばらく間があいてしまいました。

今日は卒論中間発表でした。4回生がB4の紙に概要・章立て・史資料・参考文献の4パートからなるレジュメを切って(レジュメってなんで「切る」って言うんだろう)、自分の卒業論文について発表する、というものです。史学科全4回生が一箇所に集まってやると時間がかかりすぎるので、いくつかのゼミでグループ分けします。今年、情報歴史学ゼミは芳井先生の民俗学ゼミと、福島先生の美術史ゼミと合同でした。

ゼミ生の題目は以下の通り:
  • 小川亮「地域活性のための3次元CGによる小谷城の復元」
  • 大黒元気「GISを使った土地利用の変遷」
  • 大藤雄亮「江戸城内部の構造の3DCG作成について」
  • 手塚宗二郎「中世の大鎧の3DCG作成と問題点」
  • 本郷聡明「マルチエージェント・シミュレーションによる縄文時代の未発見遺跡推定」
内容については…例年と比べてもちょっと努力が足りず、正直残念な発表がいくつかありました。まあ、来週以降、どんどん尻を叩いていくことにしましょう。卒業式の頃、「卒論をもうちょっとがんばればよかった」という声を毎年耳にします。後悔先に立たず。悔いのないようにがんばってほしいものです。

Sunday, July 26, 2009

情報歴史学入門 - 京都民報Web

『情報歴史学入門』の紹介記事が『京都民報』に載りました。
ありがとうございます。



Amazonの「なか見!検索」にも対応しています。どうぞよろしく。

アーカイブズ学文献データベース

2009-07-26 - Daily Searchivist経由で知りました。ありがとうございます。
これはうちのゼミ生にとっては、非常に有用なデータベースですね。先行研究調査がまたひとつ楽になった。「データベース」で検索すると、たくさん検索結果が出て来ます。

Saturday, July 25, 2009

アート・ドキュメンテーション学会ブログ

標題の通り、アート・ドキュメンテーション学会のブログが開設された。
この学会は「図書館、美術館・博物館、美術研究機関、関連メディア、及びこれらに関係あるものの連絡・連携のもとに、わが国、さらには国際間における、アート・ドキュメンテーションをめぐる諸問題の解決と進展に寄与すること」を目的とし、図書館や博物館における情報公開や画像データベースの開発・公開の問題など(だけではないけど)を議論したりしているので、学会自身の情報発信もまた、それ自体が大きな研究課題となりうる取り組みなんだろうと思われる。

情報歴史学関係者は要チェックである。いろいろ勉強になると思うので、RSSリーダーとかに登録しておこう。

Tuesday, July 21, 2009

住まいのミュージアムはすごい

現在、情報歴史学研究会では江戸時代の京町家の復元を行っている。その調査の一環で、住まいのミュージアム・大阪くらしの今昔館を訪れた。文化遺産学科の明珍先生が作った博物館なので、特別にガイドをつけてもらい、通常は見ることができない部分も見せていただくことができた(下の写真は、通常は開いている木戸門を特別に閉めてもらったところ)。

この木戸門をはじめとするすべての建物は、実は新品の材木を使って新築したものを、あれこれやってウェザリング&エイジングしたものなのである。特に長屋の腐りぐあいとか、すごすぎ。

参加学生の頭の中には町家の図面がインプットされているので、見てまわるのが楽しくて仕方がない、という感じ。よい勉強をさせていただきました。関係の皆様に感謝!

Wednesday, July 08, 2009

情報歴史学たぬき

先日のゼミ旅行で行った信楽で買ったタヌキが届きました。

彼が持っている看板の「情報歴史学」は合成ではありません (^_^;; ちゃんとしたオーダーメイドです。

とりあえず買ったはいいものの、どこに置くかに頭を悩ませているところです。

Tuesday, June 23, 2009

春のゼミ旅行@甲賀・信楽

今年の6月のゼミ旅行は、甲賀・信楽方面であった。前日までざーざーと降っていた雨も止み、快晴(ただし暑い (^_^;;)。



最初の目的地は水口城跡。そういえば昨年秋のゼミ旅行も滋賀県の城跡であった。城の復元とかの研究をしているゼミ生が多いと、自然とそうなる。

ここで見せてもらった資料館の建物(もともと城で使われていた柱などを再利用しているらしい)や岡山城の復元図、水口城の解説ビデオなどを見て、うちの研究室で協力できる(やらせてもらいたい)ことがいろいろあるんじゃないかと思う。

次に向かったのが甲賀流忍術屋敷。まあ興味半分で行ってみたのだが、いろいろ得るものはあった。


次に立ち寄ったのが紫香楽宮跡。思ったより荒んでいたのが気になったり。


最後に信楽でタヌキの置物を物色してゼミ旅行はおしまい。帰りの高速道路で事故渋滞につかまっちゃったけど、無事に帰ることができました。

コッチミンナー

Saturday, May 30, 2009

【ニュース】東大史料編纂所と奈文研のデータベースが連携へ

タイトルのまんまですが、そういうニュースが流れました。
古代史をやってる人にはうれしいニュースかも。いろいろなデータベースが一括で検索できるのは、けっこううれしいものです。
奈良文化財研究所の渡辺晃宏・史料研究室長は「国内を代表する両機関の連携が他機関の連携の起爆剤にもなれば」と話している。
同感。しなくていいところが連携してもしかたがないけど、こういう例は大歓迎。

Saturday, May 02, 2009

【イベント】シンポジウム「陵墓公開運動の30年」

いくつかのサイト、ブログで告知されていますが、「陵墓公開運動の30年」というシンポジウムが、京都で開催されます。
開催案内を山田先生のブログから勝手に転載します。
シンポジウム「陵墓公開運動の30年-佐紀陵山古墳・伏見城の報告とともに-」
1979年に白髪山古墳が限定公開されてから今年で30年。この節目の年に、本年2月の立ち入りの成果紹介を行いつつ、「陵墓」とその公開のあり方をあらためて考えます。
日時:5月17日(日) 13:00~17:30
場所:キャンパスプラザ京都(JR京都駅下車、西北へ徒歩3分)5階第1講義室(事前申し込み不要、ただし定員は当日先着300名)
資料代:500円
主催:陵墓関係16学・協会(大阪歴史学会、京都民科歴史部会、考古学研究会、古代学協会、古代学研究会、史学会、地方史研究協議会、奈良歴史研究会、日本考古学協会、日本史研究会、日本歴史学協会、文化財保存全国協議会、歴史科学協議会、歴史学会、歴史学研究会、歴史教育者協議会)
主催者挨拶:福永伸哉(日本考古学協会)
陵墓公開を求めて30年:宮川徏(文化財保存全国協議会)
佐紀陵山古墳の報告:岸本直文(大阪歴史学会)
伏見城跡(桃山御陵地)の立ち入り調査:山田邦和(古代学協会)、仁木宏(大阪歴史学会)、松尾信裕(日本歴史学協会)
陵墓公開運動のこれから:後藤真(日本史研究会)
ディスカッション:司会:谷口榮(地方史研究協議会)、森岡秀人(歴史科学協議会)
ご覧の通り、我らが後藤真先生も登壇するようです。ということは、例の裏プロジェクトも表に出るのかな? いずれにせよ、注目のイベントです。

Thursday, April 30, 2009

DSの開発環境を配布?

先日投稿した情報歴史学研究室: 京都文化博物館でNintendo DSを使った展示支援に関連する情報が流れてきた。NIKKEI NET(日経ネット):任天堂、「DS」の用途拡大 学校で自作教材を配信によると、
学校で先生がつくった独自の教材をDSに配信し生徒が解答できるようにしたり、博物館で展示物の解説をDSで聞けるようにしたりする。公共施設などが目的に合わせて独自のコンテンツを簡単に作成し、DSに配信できるシステムを新たに開発した。
例えば学校が導入する場合、生徒にあらかじめDSを配布。教員がパソコンからDSに自作の教材を無線で配信すれば、テストなどの解答を教 師のパソコンで一覧できるようになる。学校側は必要なソフトをパソコンに組み込んで使う。設備としては無線LAN(構内情報通信網)対応の装置を導入すれ ば利用できる。
とのこと。とすると京都文化博物館の事例は、これのテストなのかもしれない。本学の歴史博物館にも応用可能なら、やってみたいところ。

Tuesday, April 28, 2009

京都文化博物館でNintendo DSを使った展示支援

京都文化博物館でNintendo DSを使った展示の閲覧支援をしているらしい。時雨殿とは違って、自分のDSを持ち込む必要がある。
京都新聞によると、
21日から6日間の試験運用では多くの来館者が利用し、西京区の豊田武さん(69)は「画像と音で作品の魅力が伝わってくる」と話していた。
とのことだが、失礼ながら69歳の方がマイDSを持ってらっしゃるとも思えないので(ちなみに私も持っていない)、試験運用のときだけ貸し出したりしたのだろうか。本当に「画像と音で作品の魅力が伝わってくる」ものであれば、ぜひ体験したいものである。

Friday, April 24, 2009

『情報歴史学入門』出ました

情報歴史学担当の教員3名による『情報歴史学入門』が出版されました(されています)。Amazonに出るまでブログでの紹介は控えようと思ってたけど、我慢できずに一般公開。

後藤真・田中正流・師茂樹『情報歴史学入門』(金壽堂出版、2009年3月)

情報歴史学コースの学生は教科書指定をしているので、当たり前だが買って下さい。ぶっちゃけて言うとこの本は、情報歴史学コースの先輩たちの人体実験の上にできあがった、現役の君たち(未来の学生)のために書かれた本なのです。もちろんそれ以外の方々にも手に取っていただけたら幸いです。

目次は以下の通り:
  • 情報歴史学の目指すもの
  • この本の読み方
  • 第1部 データベースの読み方
    • 第1章 木簡データベースを読む
    • 第2章 正倉院文書データベース(SOMODA)を読む
    • 第3章 怪異・妖怪伝承データベースを読む
    • 第4章 文化庁「子ども文化教室」を読む
  • 第2部 デジタル化の技法
    • 第1章 目録類のデータベース
    • 第2章 文献史料
    • 第3章 モノ史料/建物/遺跡
    • 第4章 無形民俗文化財
    • 第5章 地理情報
  • 第3部 情報を引き出す
    • 第1章 はじめに
    • 第2章 検索
    • 第3章 数理的分析
    • 第4章 シミュレーション
  • 第4部 情報を発信する
    • 第1章 著作権とライセンス
    • 第2章 様々な公開方法
    • 第3章 利用状況調査とフィードバック
  • 第5部 卒業論文に向けて
    • 第1章 問題を立てる
    • 第2章 先行研究の集め方
    • 第3章 論文の書き方
    • 第4章 卒業制作の流れ
  • あとがき
  • 著者紹介
  • コラム
    • Wikipediaをどのようにつかうのか
    • どの言語から始めるか
    • 歴史学の方法
    • バックアップは念入りに
    • ブログでの論文のメモ
    • ウェブサイトやソフトウェアの引用方法

Tuesday, April 21, 2009

情報歴史学コース全体指導2009

今日は情報歴史学コース全体指導&懇親会でした。2回生が都合で出席できなかったのは残念ですが、3、4回生で交流が深められたのはよかったですね。あと、OBが2名、参加してくれたのは嬉しかったです。研究会の参加者も増えそうで何よりですね。

写真を取り損ねたのは失敗した (^_^;; お疲れさんでした。

Wednesday, April 15, 2009

今後の予定

4月21日(火)18:00〜に、毎年恒例の情報歴史学コース全体指導を行います。その後、またいつもの通り懇親会をします。コース所属の学生は原則全員参加ですが、欠席する者はあらかじめ連絡をするように。OB・OGで参加希望の人も、ご連絡を。

情報歴史学研究会は、28日(火)から原則毎週、18時スタートでやる予定です。昨年度の積み残しのほか、新しいネタ(明珍先生の研究会、考古学研究室とのコラボなど)もありますので、多くの学生の参加を待ってます。研究会の方は、情報歴史学コース以外の学生も参加OKです。

Friday, April 10, 2009

春のイベントは東京

この春は、情報歴史学系のイベントが東京で多く開催されるようだ。

Tuesday, March 17, 2009

2008年度学位記授与式

卒業おめでとう!今日は学位授与式でした。

京都で就職する人もいるけど、多くは地元に帰ったり、近畿圏以外で就職したりと、ゼミのメンバーはバラバラになってしまう。でも、いつか何処かで会えたらいいね。I feel the echo...

Sunday, March 01, 2009

注目の近刊(一部手前味噌)

昔『人文学とコンピュータ』という雑誌を出していた勉誠出版から、注目すべき本が2冊出るようだ。
どちらも情報歴史学に非常に関係の深い内容だと思われる。出版が楽しみである。ちなみに同社からは、もうすぐ、私(師)の論文が載っているこんな本も出る。
こちらもよろしく。文字コードの問題も論じられているので、情報歴史学には関係がある話題だし。

Saturday, February 14, 2009

卒論へのコメント (3)

(2)の続き。

武市篤志「近江人物データベースの作成と公開」

武市論文は、京都や奈良に比べて近江(滋賀県)の歴史が知られていない、という問題意識のもと、近江人物データベースを作成し、それを小学校〜高等学校で利用してもらうことで、滋賀県の歴史研究を活発にしたい、というものである。

所謂「新学習指導要領」においては、例えば中学校の社会の歴史的分野における指導要領として、
身近な地域の歴史を調べる活動を通して、地域への関心を高め、地域の具体的な事柄とのかかわりの中で我が国の歴史を理解させるとともに、歴史の学び方を身に付けさせる。
と述べられているので、特定地域向けの歴史教育用のウェブ・コンテンツを作成することは、それなりに意義はあろうかと思う。しかし、「近江(滋賀県)の歴史が知られていない」という評価は印象論に過ぎず(悪く言えば、滋賀県民の京都、奈良に対するひがみ? (^_^;;)、先行事例として近代日本人の肖像を評価する際も「写真が出ているので親しみやすい」みたいな表層的な評価にとどまっている。また、そもそもデータベースが作られておらず、机上の空論と言われても仕方がない。もっと頑張って欲しかった。

富士田暁「近年の皇位継承問題に関する文献データベースの作成と公開」

タイトルの「近年の皇位継承問題」とは、小泉首相の頃、皇室典範を改正するとかしないとか揉めていたあの問題である(皇位継承問題 (平成) - Wikipedia参照)。富士田論文では、何十年か後に恐らくは再びおこるであろう皇位継承問題において、国民一人一人が正しい知識を持ち、活発に議論することでこの問題の解決を目指すべきだ、という問題意識のもと、それに資するデータベースの作成と公開について論じている。データベースに収録される「文献」とは、週刊誌や新聞などの記事が中心である。

「国民的議論を喚起したい」という点をめぐって、大きな問題点がいくつか考えられる。そもそも天皇制に反対している人も、無関心な人も「国民」である。特に前者の発表した論文等は収録するのかしないのか(しないのであれば「国民的議論」にならない)、という問題は曖昧にされたままである(データベースには収録されていなかったが)。また、データベースを作成すれば「国民的議論」が発生するかというとそれは多分無理で、データベースを利用してもらう仕組みを考えなければならないだろう(この点は岡本論文のテーマでもある。(1)参照)。

現段階では、プロトタイプということもあり、インターネットでは公開していないが、ARGの岡本真さんからのアドバイスもあり、公開を目指しているとのことなので、期待&応援したい。

小田島太郎「シュルレアリスムの定義からみたお笑いのシュール」

小田島論文のテーマは、見ての通り情報歴史学とはほとんど関係がない。何度も面談して、すでにプロのお笑いの世界に半分入っている小田島さんの(大袈裟に言えば)実存を尊重して、特別にこのテーマを認めた次第である。

さて、この論文では、「シュール」と評価されるお笑いのネタが、ブルトン「シュルレアリスム宣言」などに見られる「シュルレアリスム」の定義と比較することで、お笑いにおける「シュール」を評価しよう、というものである。具体的にとりあげられるお笑い芸人は、シティボーイズ、ラーメンズ、千原兄弟である。

遺跡調査報告書電子化の新たな試み?

以下のようなイベントがあるようです。

Thursday, February 12, 2009

卒論へのコメント (2)

(1)の続き。

坂本華奈「珍敷塚古墳の3DCG復元とその問題点について」

坂本論文は、福岡県うきは市にある屋形古墳群のひとつで、ヒキガエルなどの絵で知られている装飾古墳である珍敷塚古墳の復元についての研究である。この古墳は現在、壁の一部しか残っておらず、また保護のため展示にも制限が加えられているという状況である。この古墳については、壁の絵をどのように解釈するか、という研究は多くなされているものの、石室などの全体的な構造については研究が進んでいるとは言えない。3DCGによる復元を試みることで、全体像の研究に資したい、というのが主旨。

時間をかけて作成したCGは、未完成ではあるが、その努力を多としたい。

問題点をあげれば、本研究の目的は序論では「石室や外形」「全体像を検討」となっているものの、論文の後半にはムービーについて議論が展開され、そこでは研究者以外の人(見学者)の利用(展示)も想定されているようである。結局、目的はどこにあるのか、はっきりしない。

また、どのような目的であるにせよ、ムービーの見せ方が論文に書かれているような方法でよいのかについては、単に先行事例を踏襲するだけでなく、もっと検討すべきであっただろう。

副査の高橋克壽先生からいろいろ貴重なアドバイスをいただけてありがたかった。可能ならば、ちゃんとしたものに仕上げて展示してみたいですね。

清水祥央「宮上茂隆案に基づく安土城の3DCG復元」

安土城の復元案については様々な説が出されているが、内藤昌氏の案がメジャーとなり、メディアを通じて広く知られている。しかし、内藤氏の説に対しては様々な批判がなされており、内藤説が一人歩きしている状況は好ましくない。清水論文では、内藤昌氏以外の有力な説として宮上茂隆氏の説を採用し、それによる3DCG復元を試みる。

研究史のまとめは、川村信三氏の「「史実」とは何か —安土城天主(守)復元「論争」の顛末—」(『歴史家の散歩道』所収)に大きく依拠している。


着眼点はおもしろいが、3DCGは完成にはほど遠く、また論文も単なる安土城研究史の概観にとどまっており、もう少し早く準備していればと悔やまれる。

Wednesday, February 11, 2009

卒論へのコメント (1)

昨日、口述試問が無事に終わったので、簡単にメモしておこう(参考: 2006年度2007年度)。

岡本知沙「WWWにおける高い集客能力のあるコンテンツの分析 〜2ちゃんねる、ニコニコ動画を中心に〜」

岡本論文は、序論で次のように述べる。
近年、大学や研究機関、図書館などにおいて、多くのデジタルアーカイブやデジタルコンテンツが公開されるようになってきている。しかしながら、それらの多くは作りっぱなしの場合が多く、開発費に見合った効果が得られたのかどうか、検証されることはほとんどない。
この問題を解決するための予備的考察として、岡本さんは2ちゃんねるニコニコ動画など、ユーザーが多く集まり、積極的に活用されているサイトの分析を行う、というのが本論文の主旨である。

「作ったものは立派だと思う。で、どうやってユーザーに使ってもらうの?」という問題は、人文科学とコンピュータ研究会の発表でもしばしば聞かれるもので、岡本真さんの『これからホームページをつくる研究者のために』とも問題意識を共有している。また、2ちゃんねるとかニコ動の分析は、濱野智史氏の『アーキテクチャの生態系』などによって、単なる印象論から脱しつつある状況で、これまた時宜を得ていると言える。


その意味では着眼点がとても興味深く、またいろいろな先行研究を参照している点も評価できる。しかし、問題点を絞り込むことができず広く浅くなってしまい、各章に有機的なつながりがなく、つぎはぎな感じになってしまったのは残念である。序論で述べられたデジタルアーカイブの問題点の解決策についても、それまでの議論をふまえたものには必ずしもなっておらず、その点も残念。

また——先行研究にありがちな、新しいネット文化を過大評価するトーンに毒されてしまっているのかもしれないが——2ちゃんねるやニコ動のコアなユーザーを過大評価、あるいは一般化しすぎているように見受けられる。加えてこれらのサイトを分析する際に使われる「ネタ」という概念が、「真実」「情報」の反対概念だったり、コミュニケーションの種だったりと、非常に都合のいい万能な用語として使われている印象がある。

小笠原祐也「日本中世都市史に関する研究文献データベースの作成と公開」

日本中世都市史に関する研究史をまとめた前半部分は、副査の先生に「ここだけは文献史学の論文として発表してもよいくらい」と言われるぐらいよくできている。

しかしながら、この研究史のまとめや、先行データベース(例えば国立歴史民俗博物館中世地方都市データベースなど)の評価が、実際のデータベースの作成にあまり活かされていないのが残念である。例えば、研究史のまとめにおいて注目されていた「曖昧な都市概念」「都市的な場」のような問題に対して、このデータベースはどのような解決策を提供しているのか。論文の中でも、データベースの設計レベルでも、この点ははっきりと示して欲しかった。あるいは、中世都市データベースの「都市情報の検索」という機能をただ紹介するだけでなく、その必要性を批判的に評価することができれば、データベースのあり方は今とは違ったものになったのではないだろうか。

(他の学生もそうだが)論文とデータベースなどの作品とが、どちらか片方ではなく、両方必要である点をもう少し考えて欲しい。

Monday, January 26, 2009

GPSのデータをGoogle Earthに読み込んでみた

馬場南遺跡(神雄寺跡)発掘調査 現地説明会に行ったとき、GPSもいっしょに持っていった。電源をいれっぱなしにして、リュックの外ポケットに入れっぱなし。このとき歩いた軌跡のデータをGoogle Earthに読み込んでみたら、以下の通り。

神雄寺のあたりが林っぽかったけど、あとは空が見える場所なので、そんなに大きなずれはないと思う。あとで写真ファイルに埋め込んでみよう。

Thursday, January 22, 2009

MicrosoftのImage Composite Editorはなかなか優秀

MicrosoftのImage Composite Editorはパノラマ写真を作るソフトなのだが、無償の割になかなか優秀だ。

下の画像は、馬場南遺跡(神雄寺跡)発掘調査 現地説明会に行ったときに撮った写真を5枚、放り込んだら、うまい具合につないでくれたパノラマ写真。左手に見えるのが文廻池。中央の人だかりが馬場南遺跡(神雄寺跡)である。


もう一枚は、発掘現場の南端あたりから北に向かって撮った写真をつなげたもの。現地説明会の会場なので撮影中も人が移動しており、写真にもそれが写っているのだが、うまいことつなげてくれている。

ちなみに、左下のパイプと右下のパイプは同一直線上にある。パノラマだからこうなっちゃうのね(途中ずれてるところもあるし)。ゆがんでしまうのに目をつぶれば、雰囲気をつかむのにはよいのではないかな。ここからQuickTime VRにできたりしたら面白いんだが。

Friday, January 16, 2009

週刊 安土城をつくる

週刊 安土城をつくるというシリーズがデアゴスティーニから出るらしい。今年、卒論のテーマとして安土城の復元に取り組んだ学生もいるし、ちょっと欲しいなぁ、と思ったりする。

でも110号まであるらしいから、2年間、毎週1500円ずつ払う根気はないなぁ (^_^;)

Thursday, January 15, 2009

デジタル情報の長期保存に暗雲(日経新聞)

『日経新聞』2008年12月27日朝刊「文化」欄に「学術資料や映像記録 デジタル情報の長期保存に暗雲 媒体に寿命 更新コスト莫大」という記事が載っている。

昨年10月に開催された国際シンポジウム 「デジタル知の恒久的な保存と活用にむけて―デジタルジレンマへの挑戦」の報告がメイン。例えば「品質でフィルムと同等の4k(画面を横4096、縦2160の画素で表現)のデジタル映画は、一本当たりの保管コストがフィルム映画の11倍にもなる」ため、最近ハリウッドでは保存用の映画をフィルムに焼き直しているらしい。このシンポジウムも「デジタルが最上と信じてきたが、『そんな問題があったのか』との思いに駆られて企画した」との由。

この記事の中で、我らが後藤先生がコメントを寄せている:
花園大学の後藤真専任講師は、「ハードディスクが稼働を始めて三ヶ月で二%の不具合が発生、五年で一〇%弱に達したとする、米国での調査結果がある」と話す。
新聞記事なので、後藤先生の発言や意図はかなり端折られていると想像する(私も経験あるので (^_^;;)。後藤先生のことだから、ハードディスクがどーのというような物理的な話がメインではなく、保存とはそもそもどんな行為か、みたいなこととか、史料論的なこととか、政策的なこととかを話したんじゃないかと思うが、そのへんは身内特権でご本人から聞くとしよう。

しかしまあ、ハリウッドの人たちの中には、「お前ら情報屋が『これからはデジタルですよ』なんて言うから高い金を払って設備投資したのに、今頃になって『デジタルは保たない』とか言うなよ、ボケ」なんて思ってる人もいるんだろうなぁ (^_^;; 善意に基づいているとは言え、自作自演と言われても仕方がない(ほかの業界でもよく見るけどね)。私も「デジタル万歳」的なことを発言したり論文に書いたりしてるので、片棒を担いでます。すいませんすいませんすいません。

もっとも保存だけがデジタルの目的ではなく、先の映画の例で言えば、ポストプロダクションとかでデジタルの恩恵(特殊効果とかね)を多分に受けているだろうから、トータルでデジタル化はプラスだったのかマイナスだったのか、評価をしなければならないんだろうけど。

Friday, January 09, 2009

卒論〆切日

今日は卒業論文提出〆切日。提出予定の7名が全員無事、提出した。よかった、よかった。

Saturday, December 27, 2008

Google SketchUp 7がそろそろ

うちのゼミではお世話になっている人が多いGoogle SketchUpだが、バージョン7の始まった模様。英語版はすでにリリースされている。
「日本語版のリリースは2009年5月を予定しています」だそうだ。

平安京の邸宅の3DCGムービーを作るときに悩まされたバグ?(呪い?)が直っているといいなぁ。誰か、英語版で試してよ。

Monday, December 22, 2008

14th International Conference of Historical Geographers

帝塚山大学の川口洋先生より情報をいただきました(というか、宣伝してって言われました (^_^;;)。
日本語訳すると「第14回国際歴史地理学研究者会議」みたいな感じかな。現在のところ案内はすべて英語ですが、近々日本語のページもできるそうです。GISの発表とかもあるんでしょうかね。

Tuesday, December 09, 2008

高野山の3DCG - えずけん第23回例会

高野山大学の藤吉先生から案内を頂きました。
えずけんは、丹生都比売神社の3DCGを作成したグループです(天野・丹生都比売神社トップ参照)。藤吉先生には「うちのゼミ生を連れて高野山に行きますんで、交流しましょう!」と言ってあるのですが、なかなか実現しません (^_^;;

群書類従

今日の3回生のゼミで『群書類従』のことを聞いたら、誰も知らなかった。悲しいからWikipediaへのリンクをはっておく。
『続々群書類従』はWikipediaにないのね。まあ『続々群書類従』は、上の2つとは成立が違うからなぁ。いずれにせよ、基本文献なんだから、知らないのは恥ずかしいぜ (^_^;;

Saturday, November 22, 2008

これからの情報歴史学系イベント

来月は情報歴史学系のイベントが多数開催される。
今年は、残念ながら、関東開催が多い。私は下の二つで発表します。上の二つにも参加したいけど、別の予定があるんだよなぁ。っつーか、毎年この頃は学会シーズンで、出たいやつにもなかなか出れなかったりする。

Tuesday, November 18, 2008

秋のゼミ旅行@安土

今年の3回生、4回生には、安土城や小谷城をテーマにしたり、3DCGによる復元をやったり、古墳をやりたいという学生がいたりするので、それらが集まっている安土方面へ急遽ゼミ旅行が決定した。相変わらず遅刻者が足を引っ張る中 (^_^;; マイクロバスで花大を出発。

最初に行ったのは、滋賀県最大の前方後円墳だという瓢箪山古墳。

以前に見た写真では木があまり生えていない感じだったが、登ってみると林になっていた。しかも松の木がそこら中で倒れていて、道もふさがっている。前方後円墳というより、双ヶ丘のようだった。

次に観音正寺・観音寺城へ。こういうところに来ると、私はついつい仏教史モードになってしまうのだが、今回は城であることを意識して見ることにした。すると、かなり大きな山城だったのではないか、という印象を持った。


ちょっとはずれたところにある佐々木城跡という大正時代の碑には、落書き(というか落「彫り」)がしてあった。


最後に、滋賀県立安土城考古博物館を見学。お目当ては安土城3DCGのムービーや、小谷城などの復元ジオラマ。今の3回生は、入学間もなくの学科別オリエンテーションでこの博物館に来ており、これらの展示を見ているはずであるが、秋の展覧会用の復元CGとムービーを作る経験を経て成長した彼らの目にはかなりちがって見えたはずである。「これを作るのは半年かかるなぁ」みたいな発言が出てくると、やった甲斐があったってもんである。

Tuesday, October 21, 2008

Sunday, October 19, 2008

史料学・史料編纂における知識論的転回

国立情報学研究所の情報とシステム2008というイベントで、情報歴史学系の講演があるようなので、紹介しておきたい:
  • 横山伊徳(東京大学 史料編纂所 教授 所長)
    「史料学・史料編纂における知識論的転回について —記録史料管理論と歴史知識管理論のはざま—」
  • 柿沼澄男(国立情報学研究所 情報社会相関研究系 教授)
    「人文・社会科学と情報学の共同研究」
このうち横山先生は、以前配布した『歴博』140号(私の「情報歴史学の教育に挑む」も載っています (^_^;;)にも回顧記事を書いている、日本史学におけるコンピュータ利用の先駆者の一人。
  • 横山伊徳「私のデジタル化戦略 コンピュータで史料編纂所の二〇年を歩む」(『歴博』140号、2007年)
タイトルの「知識論的転回」は、20世紀末の(っていう言い方は語弊があるかな)歴史学における言語論的転回という方法論的な変化をふまえていると思われる。歴史学における言語論的転回については、以下の論文が参考になる。
  • 北條勝貴「言語論的転回と歴史認識/叙述批判—現状の整理と展望—」(『GYRATIVA』1号、2000年)
『GYRATIVA』は花大図書館にある。この論文の概要は以下の通り。
アナール学派をはじめとする〈新しい歴史学〉の潮流以降、歴史学という学問分野の枠組みを相対化し、理論的に激しく動揺させた問題に、主にアメリカを舞台に惹起した〈言語論的転回〉による歴史認識・歴史叙述批判がある。それはポスト・モダニズム的テーゼに触発された素朴実証主義批判で、ダントやホワイトによって歴史の物語性が暴露されたことに端を発し、ラカプラの主導により伝統的歴史学やアナール学派的社会史への激しい攻撃へ成長した。これらのなかで示された議論の大半は、歴史学者の経験主義、自己の分野のみにしか通用しない閉鎖的価値観・基準に基づいており、言語論的転回の根本的批判力には答ええていなかった。この論争を流行に終わらせることなく、歴史学が自らの方法を批判する認識論的基盤を、隣接諸科学の診断基準にも対応しうるものとして確立してゆくことが急務である。

上の概要で名前が出ているダント、ホワイト、ラカプラの本をあげておく:




Monday, October 13, 2008

HCP: Humanities CyberPlatform

林晋先生からご紹介いただきました。「史学・古典学・文学などにおけるデジタル画像の利用スタイルを一新することを目指すプロジェクト」との由。
“人文学とコンピュータ”業界では、必ずしも「実用」を目的としていないツールが(例えば工学系の研究者の発表ネタとして)たくさん開発されては消えていくという現状が(残念ながら)あるわけだが、このHCPは「Hilbert日記研究ではすでに実用ツールとして使用されている」とのことなので、その点では信頼できると思う。解説ムービーがたくさんあるので、ざっと見るだけでも勉強になる。

Tuesday, October 07, 2008

「デジタル情報技術が拓くアーカイブズの可能性」のレポート

情報歴史学研究室: デジタル情報技術が拓くアーカイブズの可能性で紹介したイベントであるが、コメンテータの岡本さんが簡単な報告をして下さっているので、リンクをはっておく。
こういう風に、即座にレポートがあがるのはありがたい。ところで「あくまでノートから起こしたものなので、実際の発言内容とまったく同じではない」とのことだが、
一つのアイデアとして、デジタルアーカイブズを見るもの/読むものとしてではなく、言及・引用するものへと変えることがある。
という部分はちょっと気になった。「見るもの/読むもの」と「言及・引用するもの」との違いがよくわからない。引用されるということは読まれるということなのではないだろうか? 読むということとは別に、言及されるということはあるのだろうか? 後藤先生に今度聞いてみよう。

Friday, October 03, 2008

ひとまず完成

夏休み前から作ってきた秋期企画展用のムービーがひとまず完成。


Sketchupのバグ?というか謎の仕様のおかげで山が入らなかったり画面がちらついたり、プラズマテレビが4:3と聞いていたのに16:9だったので作り直さなければならないかもしれなかったり、完成直後に細かい注文が入ったり、諸々の不満はあるが…


何はともあれ、間に合ったのはよかった。

企画展が始まったら、YouTubeかニコ動にうpする予定。

これまでの苦闘の記録:

Tuesday, September 30, 2008

修羅場

今日は前期卒業式でした。S君、卒業おめでとう!

それはともかく、今週は修羅場である。来週月曜日スタートの歴史博物館の特別展の準備が大詰めだし、それに加えて4回生は来週、卒論中間発表である。疲れてきた。

今日も9時半まで展覧会の準備。途中でS君も合流して、祝卒業の乾杯をしたり、ピザを食べたりしながら、作業を進める。ムービーのレンダリングに時間がかかるので、手を動かす時間より口を動かす時間の方が長くなってきた。

Friday, September 26, 2008

図録用画像3点

しばらく身動きがとれないうちに展覧会の図録の〆切になってしまったので、今日あわてて、これまで皆で作ったオブジェクトを集め、風景っぽいのを作ってみました。

まずは、発掘現場を北西方向に眺めた眺望。向こうに見える山並みは、仁和寺とか龍安寺とかがあるあたり。


母屋(建物1)を南西側から見たらこんな感じ。右側の山は比叡山。カメラの設定がよくわからなくて、地面が切れてしまった(涙)。


建物5と甕据え付け穴があったあたりを西南西から。比叡山は左に寄ってます。影をつけるのを忘れた (^_^;;

Thursday, September 18, 2008

後藤先生大活躍 (2) 正倉院文書データベースと「復原」

後藤先生の論文「正倉院文書データベースと「復原」――情報化によって見えてくるもの」が『アジア遊学』113号に掲載されています。後藤先生が情報歴史学研究室に1冊、寄贈して下さいました。感謝!

正倉院文書データベースの作成を通じて、従来の正倉院文書に対する「常識」が変わる(かもしれない)というのが、副題の「情報化によって見えてくるもの」の意味。もし本当にそうなれば、情報歴史学が成し遂げた独自の大きな成果ということになるでしょうね。

全員読め!

後藤先生大活躍 (1) 「正倉院文書データベース」(SOMODA)の設計思想

後藤先生の講演についてはデジタル情報技術が拓くアーカイブズの可能性で紹介したばかりであるが、また情報が飛んできた。今度は9月24日に東大で開かれる連続セミナーでの講演:
後藤先生は「「正倉院文書データベース」(SOMODA)の設計思想」という題で講演される模様。ひっぱりだこです (^_^;;

Wednesday, September 17, 2008

デジタル情報技術が拓くアーカイブズの可能性

告知が遅くなったが、こんなイベントがあります:
これの2番目に、後藤真先生が「デジタルアーカイブ」と記録資料 —"正倉院文書データベース"と近代史料のデジタル化を通して—」という題で発表するみたいです。会場が学習院大学ということで参加は難しいですが、また後藤先生に土産話を聞かせてもらいましょう (^_^;;

ちなみにコメンテーターはARGの岡本さん。

追記(10/4):今さらながら岡本さんのエントリにリンクを張っておきます。→2008-09-28(Sun): 10月4日(土)、日本アーカイブズ学会へのお誘い@学習院大学 - ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版

Tuesday, September 16, 2008

山を作った。

色は適当。

ますます重い…。メモリ4GBでも重い…。もっと高スペックなマシンが欲しい…。

cf. Google Earthから地形のポリゴンを抽出する方法は、Google Earthの画像から地形を作成(Stampツール) - SketchUp (r)を楽しむを参考にしました。

Friday, September 12, 2008

仮組み

今日は、とりあえず、できたのを並べてみた。

重い。

Tuesday, September 09, 2008

今日の成果

建物1(母屋)に屋根がかかった。影がつくと、ちょっとそれっぽい。

ほかにも展覧会での展示にむけていろいろ準備を進める。

Sunday, September 07, 2008

「隠し撮り」の本当の問題

今回の場合、「隠し撮り」が問題だというよりも - 宮本大人のミヤモメモは、所謂“デジタルアーカイブ”を考えるうえでも示唆に富むエントリである。大阪府の橋下知事が、大阪府立国際児童文学館の「実態」を調査するために、私設秘書にビデオカメラを持たせて隠し撮りをした、という話である。

この話を聞いて、ほぼ毎年ゼミで読んでいる新谷尚紀「映像民俗誌論—『芸北神楽民俗誌』とその制作の現場から」(『民俗学の資料論』、吉川弘文館、1999)を思い出した君は鋭い。



この論文では、ビデオなどによる撮影や編集の恣意性の問題――ひっくり返して言えば、カメラに写ったものはありのままの「事実」であると考えてしまう、カメラの透明性の問題――を様々に論じているものである。この論文では「隠し撮り」はむしろ(倫理的に問題があるにせよ)恣意性を排除する方法のひとつとして論じているが、上の宮本氏のエントリでは、隠し撮りであっても撮影者の恣意姓を排除できないことを指摘しており、新谷氏の論文を補強するものであるだろう。

Sunday, August 03, 2008

オープンキャンパスで作ってました

オープンキャンパスの3日間で、受験生のさらし者になりながら、新校舎の発掘現場の邸宅の復元をしていました。建物1、建物5、貯蔵施設(下の画像)です。いやいや、お疲れ様。

建物はGoogle Sketchupで、甕はShadeで作ってます。

Monday, July 07, 2008

「状況の中で学ぶ」こととデジタルアーカイブ

民俗芸能などの「わざ」をデジタル技術を使って記録したり保存、継承したりしようという試みについては、授業の中で何回か取り上げたことがある。それに関連する記事が『未来心理』vol. 12に掲載されているので、ご紹介。PDFで読めるので、是非読みましょう。 同じ著者、テーマの、次の本もぜひ読んでおきたい。

Thursday, July 03, 2008

ワークショップ: 文字 ―(新)常用漢字を問う―

情報歴史学からはちょっと離れますが、下記のような文字に関するイベントを開催します。
上には「ちょっと離れます」と書きましたが、文字の問題は文献をデジタル化する場合に、非常に大きな問題となります。最近はだいぶ沈静化しましたが、一時は日本史学者、国文学者、中国学者、仏教学者などが、情報系の人たちと、文字と文字コードをめぐって侃々諤々の議論をしたものです。ちなみに私(師)の商業誌デビューは、「仏典のデジタル化の現状」(『月刊ASCII』Vol22, #11、1998年11月号)という記事だったりします。メジャーなパソコン誌に漢字仏典の記事が載る程、文字の問題はホットな話題だったということです。ああ、なつかしい。

ということで?興味のある方はぜひどうぞ。

Thursday, June 19, 2008

考古学研究室との合同研究会

6月17日に開催した今年度1回目の情報歴史学研究会は、考古学研究室との合同開催でした。

なんで合同で研究会をやったかというと、花園大学歴史博物館の秋の特別?展で、新校舎建設にともなう発掘(花園大学 発掘日誌参照)の成果をお披露目することが決定しているのですが、その展示の一部を我々情報歴史学コースで担当することになったからです。情報歴史学研究室: 発掘現場3DCG(改訂版)をお披露目みたいな3DCGによる復元や、それをつかったムービーなどを作成する予定なのですが、それに先立って今回の発掘について勉強しておこうということで考古学研究室で実際に発掘に携わった学生さんからレクチャーを受けた次第です。

いろいろ大変だとは思いますが、すごく勉強になる(考古学の勉強、展示の勉強、コンピュータに詳しくないクライアント (^_^;; とのコミュニケーションなどなど)ので、多くの学生に参加してもらいたいですね。

参照:情報歴史学研究室: アートの大切さ

Wednesday, June 18, 2008

ゼミ遠足 in 神戸

6月10日、神戸に遠足に行きました。4回生の準備がちょっとgdgdだったせいもあり、散漫な感じもしましたが、それなりに楽しめました。

個人的には異人館のあり方が、文化財の保存などについていろいろ考えさせられましたね。

Friday, May 30, 2008

国立国会図書館・関西館ツアー

5月27日(火)、情報歴史学コース2〜4回生有志と図書館司書課程の学生数名とで、国立国会図書館・関西館の見学に行った。国会図書館の電子図書館課、総務課の方々には大変おせわになりました。ありがとうございます。

ところで、学生諸君。(特に3回生には)ちゃんと質問できるように予習しておけよって言ったのに、全然できなかった(できた者もいたけど)のは猛省して欲しい。質問力、なんて言葉を使うと斎藤孝先生みたいだけど、ほんと、ああいう時に質問できないのは恥ずかしいよ。精進せよ。

Wednesday, April 23, 2008

情報歴史学コース全体オリエンテーション2008

昨日(4月22日)、毎年恒例の情報歴史学コース全体オリエンテーションを行いました。2〜4回生がほぼ全員集まって顔合わせ、注意事項確認、ゼミ旅行の相談などなど。その後、学内で懇親会、続けて学外(円町の居酒屋)で飲み会。下の写真は居酒屋にて撮影:

ということで、皆さん仲良くやっていきましょう。

Monday, March 24, 2008

歴史資料や文化遺産をデジタル化する意義とは?

詳しく書いている暇がないのだが(涙)、とりあえず忘れないうちに:
カレントアウェアネスはRSSリーダに登録しておきたいサイト。

Monday, March 17, 2008

2007年度学位記授与式

今日は卒業式でした。おめでとう!
ちょっと前に開かれた卒業判定の会議(そこで、皆の卒業が決まるのだよ)で、この3人のうちの1人の成績の順位が「1」と書いてあったので、もしかして情報歴史学コース初の史学科総代か?と思ったけど、勘違い、というか算出方法が違う順位だったようです (^_^;; まあ、順位が何番であれ、これから社会に出て、大学4年間で学んだことを活かすことができたと思う瞬間があれば、教員としてはこの上なくうれしいことです。

# ビンタもらいにいけなくてごめんね>つっちー

Saturday, March 08, 2008

東洋学へのコンピュータ利用 第19回研究セミナー

東洋学へのコンピュータ利用 第19回研究セミナーの案内が出ました。「19回」という回数からもわかるように、パソコンやインターネットが普及する前から続いている老舗イベントのひとつです。私も発表しますので(中国文学関係だけど)、皆さんもぜひご参加を。

東洋学へのコンピュータ利用 第19回研究セミナー

  • とき: 2008年3月21日(金)10:00〜17:20
  • ところ: 京都大学人文科学研究所本館(新館)1Fガラス張りセミナー室
  • 主催: 京都大学21世紀COE「東アジア世界の人文情報学研究教育拠点」
    京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター
  • 問い合わせ: diccs@kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp
プログラム
  • 10:00〜10:10 開会挨拶
  • 10:10〜10:50 神と神、榊と榊 —常用漢字表拡大のインパクト—
    安岡孝一(京都大学)
  • 10:50〜11:30 文字研究とデジタルアーカイブの現状と課題 —HNGによる白氏文集の研究—
    當山日出夫(立命館大学)
  • 11:30〜12:10 中国古典戯曲文献の韻律の数理的分析に向けて
    師茂樹(花園大学)・千田大介(慶應義塾大学)・二階堂善弘(関西大学)・山下一夫(神田外語大学)・川浩二(早稲田大学)
  • 13:30〜14:10 春秋日食再考 —日出帯食と日入帯食について—
    山本一登(京都大学)・谷川清隆(国立天文台)・相馬充(国立天文台)
  • 14:10〜14:50 Improving Findability: Faceted Search with Lucene, Solr and VUFind
    Christian Wittern(京都大学)
  • 14:50〜15:30 甲骨文字処理にまつわるエトセトラ
    守岡知彦(京都大学)
  • 15:50〜16:30 人文科学のためのデジタルアーカイブにおけるコンテンツのサイクル
    永崎研宣(山口県立大学)
  • 16:30〜17:10 漢字字形管理環境GlyphWiki(グリフウィキ)
    上地宏一(二松学舎大学)
  • 17:10〜17:20 閉会挨拶
次の日の「キャラクター・身体・コミュニティ〜第2回人文情報学シンポジウム」とハシゴするのも、また麗しいのではないかと (^_^;;

Tuesday, March 04, 2008

方法としてのGIS

GISが暗黙知を明示する: やまもも書斎記に書かれていることは、まさに情報歴史学の大きなテーマのひとつ。當山先生曰く:
GISは、従来の学知の暗黙の部分を暴露する、極限すれば、このようにいえるだろうか。
この指摘は、私が『歴博』に書いた「情報歴史学の教育に挑む」の次の部分と通じるところがあるように思う。
筆者の考える情報歴史学は、まず第一には、歴史学のある研究分野の方法論や伝統について分析し、それをコンピュータを使って記述する(≒データベースを作成する)という学問である。それは、対象となった研究分野の研究者から見ればツールが提供されたように見えるだろう。しかし、データベースとして表現された方法論や伝統が暗黙のものであった場合、それが視覚化されることによって新たな議論、すなわち方法論的な反省が発生する契機となる場合もあろう。それを ふまえて第二には、従来の研究方法を相対化できるような新しい方法を模索し、それによって歴史学の研究を行うことである。以上のことから、筆者は、情報歴史学は補助学ではないと考えている。
やまもも書斎記は、情報歴史学コースの学生にとって、RSSリーダー等で常時チェックすべきブログ。

Sunday, March 02, 2008

キャラクター・身体・コミュニティ 〜 第2回人文情報学シンポジウム

以前、『人文情報学シンポジウム報告書』をゼミで配布しましたが(読んだ?)、その続編に当たる下記のイベントを開催します。ぜひ参加して下さい。

キャラクター・身体・コミュニティ 〜 第2回人文情報学シンポジウム

  • 日時:2008年3月22日(土)9:25〜18:00頃
  • 場所:京都市国際交流協会・第2会議室(地下鉄東西線・蹴上駅 徒歩6分)
  • プログラム(予定)
    • 守岡知彦「キャラクターの憂鬱」
    • 白須裕之「歴史記述における情報概念について」(仮題)
    • 小形克宏「「正字」における束縛の諸相」
    • 師茂樹「暴流の中で: 一般キャラクター論から見たキャラ/キャラクター論」
    • 石田美紀「声とキャラクター: 音響と視覚における融合と乖離」(仮題)
    • パネルディスカッション
      • パネリスト: 石田美紀/伊藤剛/小形克宏/白須裕之/守岡知彦
      • 司会: 師茂樹

情報歴史学的に特に重要なのは、白須さんの「歴史記述における情報概念について」でしょうか。歴史学者がやりとりしている「情報」とはどういうものなのかについての発表。

私も発表しますが、ちょっと歴史学からは離れてしまいます。元々、文字処理研究を進めていたらマンガのキャラクター論にたどりついた、という経緯だったりするんですが。課題図書はこちら:

情報歴史学とか関係なしに、ぜひ読んで欲しい一冊。

Saturday, February 23, 2008

発掘現場3DCG(改訂版)をお披露目

花園大学 発掘日誌: 現地説明会にも記事がありますが、今日、平安京二条三坊八町の発掘調査の現地説明会がありました。自適館300教室がいっぱいになるくらいの人が見に来ましたが、残念ながら花園大学の学生は数人って感じでしたね。情報歴史学コースの学生は残念ながら1名も来ませんでしたが(涙)、来年度から情報歴史学コースに来る予定の1回生が1名(たぶん)来てくれてました。

今回、現地説明会にあわせて、突貫工事で(一週間で!)復元CGを作り、ほんの数分ですが説明会でお披露目しました。作成期間が短かったこともあり結構いいかげんなところがたくさんあるのですが(どこがいいかげんなのか当ててみよう)、評判は上々だったようです。

今回は現地説明会用ということで、Google Sketchup 6だけを使ったざくっとした復元でした。このソフトは、こういう用途には本当に便利。しかしこれからは、高橋先生とかとも話し合って、方向性などをきちんと決めてからちゃんとしたCGを作りたいですね。その際、情報歴史学研究室: 発掘現場の写真撮影での写真を使った地形の復元も必要になってくるでしょう(と言うか、そのために写真を撮ったんだけど)。

学内で発掘をして、それを学内でCG化できる(しかもスタッフはほとんど教員と学生)ってのは、けっこう珍しい例だと思います。

Wednesday, February 13, 2008

第2回 文化遺産のデジタルドキュメンテーションと利活用に関するワークショップ

情報歴史学研究室: 【イベント】第1回 文化遺産のデジタルドキュメンテーションと利活用に関するワークショップで紹介したイベントの第2回目です。今度は奈良で、3月8〜9日の2日間。
私は残念ながら、9日には別件(やはり奈良で発表)があるので参加は無理なんですが、8日には都合をつけていきたいなぁ。

写真測量やデジタル高槻城など、ゼミでやったことや卒論のテーマに関係する発表もあるようですね。皆さん、都合が付くならぜひ参加しましょう。

Wednesday, February 06, 2008

口頭試問終了(2007年度)

2月6日、情報歴史学ゼミ生の卒論口頭試問が終わった(他のゼミはまだ終わってないが)。以下、簡単に講評。

川端康司「歌川広重『名所江戸百景』における色が鑑賞者に与える影響」

SD法を使ったアンケートによって、広重の作品における赤色がどのような影響を鑑賞者に与えているのかを研究した論文。先行研究をよく調べ、着実にやってきた点は評価したい。

この論文の問題点をあげれば、現代人の感性についての研究なのか、美術史的な研究なのかについて、きちんと区別されていないという点であろう。前者であれば広重の作品を使う理由を美術史の先行研究だけで言うことはできないが、この論文では美術史関係の先行研究の整理が中心である。逆に、美術史的な(歴史的な)研究であれば、アンケートをベースにした方法は意味がない。

副査の福島先生が言って下さったように、自身の「感性」を無批判に作品分析に適用してしまう美術史の研究者が実際におり、その人たちの態度を「勉強」してしまったのかもしれない。

土屋美穂「キトラ古墳の三次元復元と公開・利用に関する研究」

当初、3DCGを作成することを目標にしていたのだが、間に合わなかったのが残念。これから作るとのことなので、ぜひ卒業までに完成させて欲しい。

内容的なことを言うと、先行研究の調査については副査の高橋先生(昨年まで奈良文化財研究所にいて、今もキトラの調査に関わっている)からお褒めを頂く程なので、よくがんばったと思う。もっとも、本論文においては復元と保存がごっちゃになっており、復元に関する先行研究(情報の欠如部分を埋めるための周辺情報など)が少ないのが残念。このような混同は、実際に3DCG作成を始めていれば自ずと気づき、解消される部分であると思うので、繰り返しになるがCGの開発に入れなかったのが惜しまれる。

文字利光「丹波国分寺のCG復元とその問題」

こちらも上の土屋論文同様、CGを作れなかったこと、そのために復元と保存を混同するミスを犯していることが問題点として指摘できる。

加えてこの論文では、作成したCGを学校教育や博物館展示などで利用する場合を想定した議論を行っているのであるが、その中で「博物館には人が来ないとはじまらない」→「そのためには楽しさ、エンターテインメントの要素が必要」という議論を展開している。このような提言は、特にかつて「マルチメディア」が流行した頃、博物館情報学や教育工学などにおいてさかんに言われたことであるのだが、真に受けない方がよいのではないか、少なくとももう少し批判的に検討すべきだったのではないか、と思われる。

山本拓矢「GPS活用による姫街道研究」

GPSを手に、実際に姫街道を踏破した努力は買いたい(ケモノ道のようなところまで分け入ったとのこと)。ただ、そうして作ったデータが、実際の姫街道研究にほとんど活かされていないのは残念(山本さん曰く、GPSのデータよりも、データを取りに現場に行ったことでわかったことの方が大きかった、との由)。

先行研究の整理の部分については難点が多い。姫街道関連の先行研究をまとめる作業は割に早めに終わっていたのに、周辺分野の先行研究の調査がほとんどなされていなかったり、また先行研究から問題の所在を導くのも、時代が異なるものを一緒くたにして論じているところがあるなど、適切ではない部分も見受けられる。

Thursday, January 31, 2008

カニ温泉ゼミ旅行

1月29〜30日、かねてより4回生が(卒論をがんばるためのニンジンとして?)計画していたカニ+温泉旅行に行ってきたのでご報告。

29日朝9時集合。30分遅刻野郎が1名いたが、無事全員揃い、3台の車に分乗していざ出発。めざすは山代温泉、お宿は彩華の宿 多々見

宿到着後、一部有志により那谷寺へ。ここは白山信仰の祖、泰澄が開いたとされるお寺である。境内には奇岩の霊場があり(写真)、山岳信仰チックな雰囲気満点であるが、標高はそれほど高くない。

宿に帰ったら、すでに浴衣男子による温泉麻雀大会が始まっていた (^_^;;

夕食はお目当てのカニ尽くし。メンバーの半数以上が食べきれないほどのヴォリューム。

その後、部屋に帰って、麻雀やらXBOXやら露天風呂やらで楽しいときを過ごす。

30日、チェックアウト後、まずは日本自動車博物館へ。クラシックカーが所狭しと敷き詰められており、展示というよりガレージの雰囲気(でも建物は洋館風)。たぶん学芸員さんとかはいないんだろう。車好きにはたまらんけど (^_^;;

写真は現存する唯一の日本陸軍95式小型乗用車(くろがね四起)。タミヤのプラモデルでしか見たことがなかったので、ちょっと感動。天井ギリギリの不自然な展示(どうやったんだろう (^_^;;)は、この車がデモンストレーションでこういう階段を上り下りしたというエピソードに因むのだろう。


次に、福井県立恐竜博物館。ここは建物がすごく未来的でかっこよく、展示もロボットやらCGやらで工夫されており、かなりお金がかかってる感じ。でもやっぱり、恐竜と言えば骨だろ!ということで、骨写真撮りまくり。


そんなこんなで非常に充実した2日間でした。

Friday, January 25, 2008

発掘現場の写真撮影

花園大学 発掘日誌: 写真撮影に便乗して、情報歴史学コースでも新校舎予定地の発掘現場の写真撮影をしてきました。我々の目的はPhotoModelerなどを使った写真測量がメインですが、いずれは三次元CGによって平安時代の邸宅等を復元するための調査も兼ねてたりします。

最初に櫓に登って全体像の撮影。櫓はこんな感じ(上にいるのは高橋親分と子分の学生さん):

登るとちょうどJRの高架と同じぐらいの高さ。誰かが動くたびにゆれる。「怖いよー怖いよー」と言ってると、高橋親分曰く「え?本当に怖がってるの?皆さーん、もろ先生が本気で怖がってるよー」って、あんたなぁ (^_^;;

シャッターを切る手が震える…のではなく、恐怖で足を震えさせながら何とか撮影。降りるときはこんな感じ(いっしょに登った鹿谷君):

この上り下りで、何度家族の顔が浮かんだか(涙)。

櫓から全体像を撮った後は、地上から黙々と撮る。福島先生にお願いして博物館からCANON EOS 5Dを借りることができたので(お手伝い頂いた志水さん、ありがとうございます)、4GB弱の写真を撮ることができました。

Sunday, December 23, 2007

デジタルアーカイブの「標準化」に向けて

東京でこんなイベントがあるそうです。

東京大学大学院情報学環・学際情報学府学際情報学専攻
21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」
 第14回シンポジウム

デジタルアーカイブの「標準化」に向けて
〜次世代アーカイブとユビキタス技術が拓く未来〜

概要
 21世紀、人間社会のあらゆる場面においてデジタル化された情報
を活用するユビキタス情報社会へと向かおうとしています。そのた
めに必要な要素技術は着実に開発が進んでおり、様々な実証実験を
通じてその技術的な実現性が確かなものとなってきています。そし
て、ユビキタス情報社会基盤を活用した様々なサービス(ユビキタ
スサービス)が社会に普及し、私たちの日常生活を豊かにする日も
近づいております。また、携帯電話やICカードといった先行事例に
みられますようにユビキタスは強い革新性を持っており、単に便利
というだけでなく様々な分野において変革をもたらすものと考えら
れます。

 本シンポジウムでは、これまでのユビキタスサービスを俯瞰しつ
つ、ユビキタス情報社会基盤がもたらすサービスへのイノベーショ
ンについて議論したいと思います。そして、ユビキタスサービスが
社会に普及するための課題を探ります。

開催要項

日時
平成20年1月15日(火) 午後1:30 〜 午後6:00 (開場 午後0:00)

会場
東京大学 鉄門記念講堂
  (東京大学へのアクセス)
  http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
  (鉄門記念講堂(医学部教育研究棟)へのアクセス)
   http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_09_j.html

プログラム

  受付開始  12:00(アーカイブデモタイム 12:00−13:30)
  開演    13:30
  開会挨拶(吉見俊哉) 13:30−13:40
  (東京大学大学院情報学環長)
  基調講演(坂村 健) 13:40−14:20
  (東京大学大学院情報学環副学環長・教授、
   東京大学21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」
   拠点リーダー)

  報告(田良島哲) 14:20−15:05
  (独立行政法人 東京国立博物館)

 (休憩・アーカイブデモタイム  15:05−15:45)

  パネル討論      15:45−17:45
  (田良島哲・小川千代子・加茂竜一・杉本重雄・
   馬場章(コーディネータ))
   小川千代子(国際資料研究所)
   杉本重雄 (筑波大学)
   加茂竜一 (凸版印刷株式会社)
    コーディネータ:馬場章
    (東京大学大学院情報学環教授、東京大学21世紀COE
     「プロジェクトA」責任者)


  閉会挨拶(馬場 章) 17:50−18:00


主催
東京大学21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」

共催
凸版印刷株式会社

入場
無料

お申込み方法
定員:300名(先着順)
申し込み先:coe-symposium14@ubinsoc.org

 氏名・所属・連絡先をご記入の上、上記の電子メールアドレスで
お申し込みください。なお申し込みの受け付けのお返事はいたしま
せん。定員が超過しお断りする時のみご連絡いたします。
 お申し込みの時にご記入いただきました個人情報につきましては
、本シンポジウムの参加者管理の目的以外には使用いたしません。
 会場には駐車場はございませんので、車でのご来場はご遠慮くだ
さい。
 事前申し込みをしていない場合でも、当日シンポジウム会場に余
裕があれば参加していただけます。
 手話通訳や要約筆記等のサポートが必要な場合は、申し込み時に
お申し出ください。

Thursday, December 20, 2007

Saturday, December 15, 2007

「展示と来館者をつなぐ」ことの難しさ

みんぱくゼミナール 第355回「展示と来館者をつなぐ―みんぱくにおけるミュージアム・コミュニケーション」に、ゼミ生T君と参加する。開会に先立って、ゼミナールに10の倍数回出席した人を表彰していたのだが、120回出席していた人がいてビビる。月に1回として、10年近く来ておられるということになる。すげー。

それはともかくゼミナールであるが、興味深かった点を列挙しておくと、
  • 博物館に来る人は、必ずしも知的な学習を求めているわけではなく、人とのつながりを求める(デート? (^_^;;)/非日常的な体験を求める/自分探し等々のために来る人もいる。典拠はこれ:

  • 展示者の意図とは違うところで客が満足することもある=インタラクティブ・ミスコミュニケーション(橋本裕之「物質文化の研究」〔『民族学研究』62-2〕)
  • 展示される側からの異議申し立て→展示される側の展示作業への参加
    • 「展示と来館者をつなぐ」というタイトルの講演だったためか、「展示される側」の視点はちょっと曖昧だった気もする。
  • 展示する側(博物館や研究者)/展示される側/展示を見る側の三者がモノの価値づけ、解釈、記憶の付与に平等に参加できる場としての博物館。
    • もし「平等」を追求するのなら、博物館という価値づけのシステムの存在自体がある限り、展示する側と展示される/見る側との非対称はどんなに工夫しても解消されないように思う。それを隠蔽して(博物館を自明のものとして)「平等」を目指すより、博物館の権力性を可視化する方がいいような気がするが、いかがだろうか?
    • ちなみに、民族誌において似たようなことを目指している川村清志さんらのチームの活動は参考になるだろう(最近の成果だと、じんもんこん2007の岩谷洋史・川村清志・星野次郎・行木敬・大崎雅一・森下淳也「人類学研究支援環境DWB による調査資料の詳細化と客観化―部分と全体の視点を許容するDWB―」など)。情報歴史学研究室: 電子メディアを飼いならすも参照。
この講演を聴きながら頭に浮かべていたのはWikipediaニコニコ動画など。T君と“ニコニコ展示”は可能か?可能だとしたらどうやってやるか?なんて議論をする。

ゼミナールの後、常設展示や企画展「世界を集める−研究者の選んだみんぱくコレクション」でPSPを使った閲覧支援システムを体験する。常設展示における「動画も見られる音声ガイドの拡張版」としてのPSPはなかなかよいと思ったが、企画展の方のPSPは正直、必要性を感じられなかった。情報歴史学コースでも携帯電話を使った閲覧支援システムを作った時があるし、今度はiPod touchを使って作ってみようかな、なんて考えていたのだが、改めて難しさを痛感する。

帰りしな、珍しく?黒山の人だかりができていたので、何だろうと思ったら万博記念公園では今日からライトアップらしい。

Saturday, December 08, 2007

第12回情報知識学フォーラム:簡単なレポート

情報歴史学研究室: 2007年度 第12回情報知識学フォーラム 〜情報の発掘と再生〜に行ってきたので、簡単な報告…と言っても、昼まで大学で用事があったので、聞けたのは2番目の五島さんの発表の途中から。

朽津信明「蘇る古墳壁画の世界—装飾古墳のデジタルコンテンツ化—」

上に書いた通り聞けず(3DCGを使うものらしい)。すまん、つっちー。論文は今度のゼミに持って行くので許してね。

五島敏芳「アーカイブズ情報の電子化・保存と共有化動向」

この発表については途中からだったということもあるし、五島さんの発表は歴博の共同研究班などで何度か聞いていたりもするのでここでは書かない。

ただ、彼が最近ひっぱりだこの人であることについては指摘しておきたい。最近、「デジタル・アーカイブ」という言葉をよく耳にするが、アーカイブの本来の「(公)文書の(永久)保存」という意味でのデジタル・アーカイブは驚く程少ない。不思議なことに我が国では、文化財のデジタル化という程度の意味で「デジタル・アーカイブ」という言葉を使ってしまっている(私も、あまり使いたくはないが、そういう用法で使うことがある)。五島さんは、本来的な意味でのデジタル・アーカイブについて語れる数少ない人だったりするので、ひっぱりだこなのである。

江草由佳「戦前期教科書の電子化・保存とその応用」

「電子化・保存」の話はなつかしい感じ(マイクロフィルム+PDF)。むしろ、その前段階で概説された研究対象(資料)としての教科書の話はおもしろかった。資料としての教科書の価値は、レアだから価値があるという文化財的なものではなく、ある世代のほとんどの人が目にしているという圧倒的な普及率を誇るメディアであるという点であるとのこと。確かにそうだ。

あと、個人的には、サンプルとして回覧された満州国の教科書にあったモンゴル相撲の記事が気になった (^_^;;

矢野環「古典籍からの情報発掘—再生そして生命誌、ネットワーク—」

一番楽しみにしていた発表。バイオ・インフォマティクスなどで使われる数理モデルを文献学に応用したり、茶人の人間関係をグラフ・ネットワークとして分析する、というもの。意外に思われるかもしれないが、DNAはGCATの四文字で書かれたテキストなので、テキスト・データベースの技術(全文検索とか)がそのまま応用されているし、写本を比較して伝写系統を分析するみたいなことと同じようなことも行われており、そのためのツールもたくさん公開されている。文献史学の史料批判などにも充分応用可能な方法なのである。

休憩時間に矢野先生とちょっと議論したのだが、数理的なモデルで出てきた結果をどう評価し、解釈するかについては、はっきりとした方法は見出されていない。今後、考えていきたいところ。

田良島哲「文化財情報の発掘と再生—「モノ」と「テキスト」のはざまで—」

文書がどのようにして「古文書」になり、後に研究者が「史料」として見出して、場合によっては国宝などになったりするのかを概説した上で、史資料のデジタル化には各分野(文献史学、書誌学、古文書学、考古学etc...)の方法論に基づいた「見る目」の共有が必要なのではないか、と問題提起。

方法論の(コンピュータを考慮した)共有には、方法論の形式化ないし記述が必要なわけだが(上の矢野先生が使っている数理モデルは、文献学の一部を数学的に形式化したものとも言える)、これが一筋縄ではいかないですよねー、という議論を、会終了後、ほんの短い時間ではあったが田良島さんとすることができた(文書などの材質に関しては、客観的な記述が非常に難しいらしい)。

こういう議論ができるのが、ライブで発表を聞く醍醐味である。遅刻しちゃったけど、行ってよかった。

Wednesday, December 05, 2007

「漢字文化三千年」 国際シンポジウム

情報歴史学研究室: 12月の関連イベントに追加情報。以下のイベントが京大で行われるようです。

漢字文化の全き繼承と發展のために
京都大學21世紀COE 東アジア世界の人文情報學研究教育據

「漢字文化三千年」 国際シンポジウム

セッション一:漢字と情報学—新しい世界へ
プログラム
  京都大学 国際交流ホール
  14:00 ~ 17:00
  • 「仏教学文献研究におけるコラボレーションの可能性と問題点について」
    永崎研宣(山口県立大学)
  • 「「心」の問題 − 文学研究のための資料をめぐる一考察 −」
    明星聖子(埼玉大学)
  • 「A scheme of Chinese conceptual schemes: the Thesaurus Linguae Sericae」
    Christoph Harbsmeier (何莫邪)(オスロ大学・北京大学)
  • 「唐代研究ナレッジベースからの教訓」
    ウィッテルン クリスティアン (京都大学)

Wednesday, November 28, 2007

構築主義の入門書

今週火曜日の3回生ゼミで赤間亮・川村清志・後藤真・野村英登・師茂樹「人文科学にとっての“デジタルアーカイブ”」(『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』、IPSJ Symposium Series Vol. 2004, No. 17、2004年12月)の私の「問題提起」を読んでいる際、構築主義について簡単に説明した(デジタルアーカイブの主な対象になる「古典」とか「名作」というものは、作品そのものに原因がある(=本質主義)のではなくて、社会的に構築されたものである、というような文脈)。

そこで紹介した構築主義の入門書をあげておこう:

Thursday, November 22, 2007

Canvas使えるかも

HTMLの次期バージョン「HTML 5」というのが開発中である。
その中にcanvasというタグがあって、これの表現力がけっこうすごい。下にあげたようなやつがぐりぐり動く(対応ブラウザはFirefox、Safari、IE。IEはプラグインがいるらしい)。



Web上で図や3Dを表示するのはいろいろあったけど、これだけのことができて、しかもGoogle大将軍が肩入れしているとなると、かなり有望かもしれない。

Tuesday, November 20, 2007

12月の関連イベント

ちょっと間が空いてしまいました。12月の情報歴史学関連イベントをリストアップします。12月は毎年、イベントラッシュですが、今年は関東によってますね。

なお、3回生はどれか(関連するものであれば、下記以外のイベントでも可)に参加してレポートを書いてもらうことになります。

Monday, October 15, 2007

Sunday, September 02, 2007

Friday, August 31, 2007

お隣さん

新校舎の建設に伴う発掘調査が始まり、調査を担当する考古学研究室のブログが始まりました。
そのうち情報歴史学研究室も、三次元写真測量などで参戦したいと思いますので、乞うご期待?

Monday, August 20, 2007

【イベント】東京国立博物館「博物館情報学研究会」

こんな案内を頂きました(以前のポストも参照)。

東京国立博物館「博物館情報学研究会」のご案内

東京国立博物館では「博物館情報学の構築」を研究課題の一つとして調査研究を進めていますが、このたび「博物館業務と所蔵品データベース」をテーマに、下記の要領で公開研究会を開催いたします。残暑厳しい折ですが、多くの方のご参加をいただければ幸いに存じます。
日時
2007年8月29日(水)13:30から16:30まで(会場受付は13:00から)
会場
東京国立博物館 平成館小講堂(ご来館の道順は当館ウェブサイトからごらんください)
報告者
  • 横溝廣子 氏(東京藝術大学大学美術館 准教授)
  • 井上卓朗 氏(日本郵政公社郵政資料館 資料専門員)
  • 村田良二(東京国立博物館情報課 研究員)
各機関の所蔵品データベースの構築と利用に関する報告と、全体的な意見交換を行います。
参加お申し込み
参加をご希望の方は、(1)ご氏名 (2)ご連絡先(メールアドレスまたは電話番号) (3)おさしつかえなければ勤務先、在学校名等のご所属 をお知らせください。

宛先:
電子メール joho0829@cr.tnm.jp(半角英数字)
ファクシミリ 03-3822-8502
郵便:〒110-8712 台東区上野公園13-9 東京国立博物館情報課情報管理室
※受信したお名前、メールアドレス等の個人情報は、今後当館の研究会等の催しのご案内に利用させていただくことがございます。

【イベント】Historical Maps and GIS

名古屋大学環境学研究科が主催する“International Symposium on Historical Maps and GIS”と、人文地理学会・歴史地理研究部会の第108回研究会との共催とのことです。
  • 日時:8月23〜24日
  • 会場:名古屋大学東山キャンパス文系総合館7Fカンファレンスルーム
プログラムはこちら(PDF)

しかし最近、研究会とかのサイトはブログかWikiが主流みたいになってきてるなぁ。

【イベント】歴史知識学の創成

こんなイベントの案内を頂きましたので、こちらでもお報せします。

歴史知識学の創成 科学史・文化史研究と歴史知識学

2007年9月15日(土)13:00~17:00 東京大学文学部215番教室
  • 基調報告
    • 石川徹也(史料編纂所・前近代日本史情報国際センター・教授)「歴史知識学の創成を目指して」
    • 佐藤賢一(電気通信大学・准教授)「『明治前日本科学史』と科学史研究のその後」
    • 末柄豊(史料編纂所中世史料部・准教授)「『大日本史料』における学芸史料」
    • 相田満(国文学研究資料館・助教)「『古事類苑』と和漢古典学オントロジ」
  • 研究報告
    • 「『明治前日本科学史』の検索システム構築-歴史情報を対象とする「知識の構造化」の具現例-」(史料編纂所・大日本印刷(株)共同研究プロジェクト)
    • 「『明治前日本科学史』を対象とする”日本の科学・技術者人物情報”抽出システム-明治前日本科学・技術者人物DB構築を目指して-」(史料編纂所・NTTデータ(株)共同研究プロジェクト)
詳しくはこちら(PDF)

Tuesday, June 26, 2007

[ニュース] 3次元の古代ローマをフライスルー

WIRED VISION / 3次元の古代ローマをフライスルーなんてニュースがあったのでご紹介。

街をまるまるデジタル化したというだけでもなかなか興味深い記事だけど、それ以外でも、
Frischer所長はこの3次元モデルを、ローマ研究者たちがオンラインフォーラムとして利用できる「修正可能な『Wiki』」にしたいと考えている。
という部分には注目したい。市街ひとつをまるまるデジタル化するだけでなく、それを不特定多数の人がいじれるというのだ。この手の「よってたかって」何かをしようというプロジェクトは常に、異説をどうするか、複数の説を許容する場合のビューはどうするか、などの問題を抱える。このプロジェクトがどうなるのか、注目したい。

Wednesday, June 06, 2007

ゼミ旅行2007 in 天橋立

6月5日、3回生、4回生ゼミ合同で天橋立にゼミ旅行に行くことに。総勢17名(田中先生、2回生2名も参加)でにぎやかな感じである。

天橋立は世界文化遺産を目指しているらしい(→京都新聞電子版: 天橋立の国内暫定リスト追加申請へ 世界遺産検討委)。ちなみに3月まで花園大学に居られた山田邦和先生は、世界遺産検討委委員の一人らしい(→平安京閑話: 天橋立を世界遺産に!、の巻)。山田先生の話では、この会議に美術史ゼミの福島先生の書かれた本?が資料として出ていたらしい(福島先生は「天橋立図」で有名な雪舟の専門家)。なにげに花大に関係者が多い話題だったりする。それはともかく、情報歴史学はデジタル・アーカイブなどで文化財行政とつながっているが、今回のこのニュースは国内外の文化財行政に関して思いを巡らす良いきっかけである。

幸い天気にも恵まれ、渋滞もなく、最初の目的地である丹後国分寺跡と京都府立丹後郷土資料館へ到着。国分寺跡は、基壇跡だけが往時を偲ばせるものの、基本的には草ぼうぼうのありがちな更地なのだが (^_^;; 土地が割と斜面なのが興味深かった。個人的には、奈良仏教萌えということで、写真をとりまくる。

郷土資料館の常設展示は小規模(花園大学歴史博物館・第2展示室よりちょっと広いぐらい?)、民俗関係の資料が割とたくさん展示されていて、田中先生の解説に耳を傾ける。近くに民家も保存されていて、部屋に上がったり民具に触れたりできるのが、今時の展示って感じである(ハンズオンってやつですな)。展示について考えるのは、情報歴史学研究室: アートの大切さ情報歴史学研究室: 子ども文化教室でも書いたように、情報歴史学的に重要なテーマの一つである。ここに限ったことではないが、博物館・美術館の展示を観るのは、いろいろな面で勉強になるのである。

その後、天橋立の北側、籠神社籠神社 - Wikipedia)へ。ここから各自自由行動で、1時間半後に天橋立の南側(智恩寺)に集合というシナリオである。とりあえず目の前に神社があるということで、皆でお参り。ちょうど茅の輪くぐり(茅の輪 - Google 検索)をやっていたので、皆でくぐる。

ちょっと脱線するが、神社の参拝の作法とかも、皆、意外に知らないんだねー。最近、細木数子氏が神社の参拝の仕方に異議を唱えたことについて、神社界から大きな批判を浴びたりしたけど(西野神社 社務日誌 - 二拝二拍手一拝という作法はとても勉強になる)、京都の大学の史学科の学生としては、そういうのも勉強しておいてもらいたいものである。

さてその後はいくつかのグループに分かれて、天橋立を観光。私のグループは砂浜をぶらぶら歩きながら、海に入ったり(したのは私ともう一人だけ (^_^;;)、木陰でご飯を食べたりしたのだが、けっこう強い日差しで、両腕は真っ赤に日焼けしてしまった。海はとてもきれいであった。

歩きながら、上に書いた世界遺産のことなど、「漁業をやってる人への影響は?」とか「海水浴場のままで、文化遺産にできるのかね?」とか言いながら、学生たちと議論する。実家では魚取りがどーのとか、しょーもない話をしながら、親睦を深めるのもまた旅行の目的の一つ。集合場所の智恩寺(ちなみに花園大学と縁の深い臨済宗・妙心寺派)は、小さいお寺ながら中世〜近世ぐらいのおもしろいものがたくさんあった。

Monday, June 04, 2007

ARCADIA解禁!

考古学の高橋先生から教えていただきました。
「千葉県における古墳時代中期関連の資料を中心にデータを収録しています」とありますが、よくある目録データベースではなく、研究文献全文データベースです。検索してみれば(例えば「鬼高」とかで)わかりますけどかなり膨大な量のデータが入っています。

しかも、GIS情報と結びついていて、地理的に近い遺跡や、Google Mapsと連携した周辺地図表示機能がまたすばらしい。

Sunday, May 13, 2007

情報処理学会・第74回人文科学とコンピュータ研究会発表会

言わずと知れた(知ってるよね? (^_^;;)人文科学とコンピュータ研究会の例会である。
5月25日(金)、龍谷大学瀬田学舎での開催なので、都合がつく情報歴史学コースの学生は、できるだけ参加すること。最新の成果に触れることで(その場では全然わけがわからなくても)必ず力になるのだ。

情報知識学会・第15回年次大会

東京での開催だが、情報歴史学関連の発表もいくつかあるので、紹介しておこう。
プログラム
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2007年5月25日(金)
12:30 受付開始
13:00〜13:50 総会
14:00〜15:40 一般発表(1)
  1 レファレンスデータに対するNDCの自動付与
○原田 隆史(慶應義塾大学), 江藤 正己(慶應義塾大学大学院),
大西美奈子(NRIネットワークコミュニケーションズ)
2. 引用論文における引用箇所間の近さをとらえる尺度
江藤 正己(慶應義塾大学大学院)
3 SRU/SRWを用いた教育図書館資料の書誌検索システムの構築
○江草 由佳(国立教育政策研究所),
高久 雅生(情報・システム研究機構 新領域融合研究センター)
4. 著者とキーワードの関連性に着目した研究領域ブラウジングシステムの試作
○レボウィッツ 紀子(筑波大学大学院), 松村 敦, 宇陀 則彦(筑波大学)
15:50〜17:30 シンポジウム「Web2.0時代の情報システム」
パネリスト : 岡本 真(Academic Resource Guide)
兼宗 進(一橋大学情報処理センター)
    (終了後、外部の別会場で懇親会開催を検討中です)

2007年 5月26日(土)
9:20〜10:35 一般発表(2)
5. 営みのLatticeの構造化とアブダクション
福永 征夫(アブダクション研究会)
6. 音楽著作権についての歴史的研究 〜革命期から19世紀のフランスを
    中心に〜
石井 大輔(筑波大学大学院)
7. 科学技術文献の解析・可視化における辞書の活用について
○甲田 彰, 坂内 悟(科学技術振興機構)
10:50〜12:05 一般発表(3)
8. ユーザの Web 閲覧履歴を用いた検索支援システム
○堀 幸雄(香川大学), 今井 慈朗(香川大学), 中山 堯(神奈川大学)
9. 古典籍説明文からのドメイン知識の抽出
○長塚 隆(鶴見大学), 神門 典子(国立情報学研究所)
10. 人文研究を支援するデータベースシステム-聖教検索および系図表示-
○朴明 哲(和歌山大学大学院), 森本 雅史, 立花 純児,
    村川 猛彦(和歌山大学),宇都宮 啓吾(大阪大谷大学), 中川 優(和歌山大学)
13:30〜14:10 論文賞表彰式 および 論文賞記念講演
14:15〜15:05 一般発表(4)
11. 科研費による研究助成の効果に関する調査
○柿沼 澄男, 西澤 正己, 孫 媛, 根岸 正光(国立情報学研究所)
12. キーワード分析による科研費におけるゲノムおよびナノテクノロジー
    関連研究の動向調査
○西澤 正己, 孫 媛(国立情報学研究所)
15:20〜16:35 一般発表(5)
13. 日本発行の科学技術雑誌数の分析
時実 象一(愛知大学)
14. 文化資源オントロジの構築とその活用
研谷 紀夫(東京大学大学院), 馬場章(東京大学)
15. ターミノロジー論における階層関係の概念について
山本 昭(愛知大学)
  • シンポジウム「Web2.0時代の情報システム」のパネリストである岡本さんは、大学などが公開しているデジタルコンテンツ、デジタルアーカイブについて調べる時には欠かせないAcademic Resource Guideの編集人。メーリングリストには今すぐ登録せよ(ブログのRSSとかを何かに登録してもいいけど)。下の本も有益:
  • 6の話は、古典テキストの校訂を著作物と認めるかどうか、という論点につながりそうなので興味深い。石岡克俊「音楽/楽譜の校訂と著作権法(前編) 校訂権とその周辺(その二)」(『漢字文献情報処理研究』7)参照。
  • 9、10、14は情報歴史学系の発表。特に10は、3回生ゼミでこの間読んだ系図のデジタル化の問題の続きなので、要注目。
  • 15の「ターミノロジー」とは、専門用語学とでも訳すことができるものだが、データベースでキーワード検索などの機能を開発する際、必ずドツボにはまるのがキーワード間の関係をどうやって記述するか、ということ。この問題に取り組んでいるのがターミノロジー。下記文献参照:
ということで、なかなか興味深い発表が多いのである。

Wednesday, April 25, 2007

mixiにコミュを作りました

mixiに「情報歴史学コース」コミュを作りました。
mixiのIDが欲しい人は招待状を送るので、連絡して下さい(入会したら携帯電話でもできるけど、登録にはパソコンのメールアドレスが必要なので注意)。

Wednesday, April 18, 2007

情報歴史学コース全体指導

学内掲示板に掲示が出ていると思いますが、来週火曜日18時から、情報歴史学コース所属学生全員(2〜4回生)と担当教員による全体指導を行います。
  • 日時:4月24日(火)18時〜
  • 場所:返照館302教室
情報歴史学コースでの授業や返照館302教室の使用などに関する大切な会議ですので、特別な理由がない限り欠席しないようにしてください。また、ゼミ旅行に関する打ち合わせも予定しています。

なお、全体指導終了後、懇親会を予定しています。

Tuesday, April 10, 2007

情報知識学会 人文・社会科学系部会研究会のご案内

以下の案内を頂く。博物館情報学はちょっと興味があるので、参加したいのだが、その日は仕事なんです(涙)。田良島さんは情報歴史学業界の重要人物(チープな表現ですいません)の一人。最近では、歴史地震史資料の電子化などでご活躍(http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/chikyu_0511.htmlなど参照)。

情報知識学会 人文・社会科学系部会研究会のご案内

しばらく研究会の開催が滞っておりましたが、新しい企画として「博物館と情報」をテーマに若手の研究者から話題を提供していただきます。広くご参加を歓迎いたします。(部会担当:田良島 哲)
日時
2007年4月21日(土)15:00~17:00(14:30受付開始)
会場
東京国立博物館 平成館小講堂(台東区上野公園13-9。博物館「西門」から入館してください)。
※交通と地図はこちら http://www.tnm.jp/jp/guide/index.html
プログラム
  • 15:00 主催者あいさつ
  • 15:05-15:45 「博物館・美術館におけるデジタル画像に対する意識について―館種、規模、デジタル化達成率の違いによる意識の差―」
    奥本素子(総合研究大学院大学 文化科学研究科)
  • 15:45-16:25 「人文系博物館の目録情報の現状―都道府県博物館への調査結果より―」
    北岡タマ子(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科)
  • 報告終了後、自由討議
参加方法
どなたでもご参加いただけます。
参加希望の方は、stara@nifty.com(半角英数字)あて ご氏名・ご連絡先(email・電話・Fax等)をお知らせください。
文書でご連絡の場合は 110-8712 台東区上野公園13-9 東京国立博物館情報課気付 田良島 あて にお願いします。
※お預かりした個人情報は、次回以降のこの会合の連絡にのみ使用します。

Friday, April 06, 2007

Digital Humanities Quarterly

日本語訳すれば『季刊デジタル人文学』。人文学とコンピュータとの関わりについて幅広い視点から論じた論文をオンラインで公開する電子ジャーナル。英語だけど、がんばって読んでみる価値はあると思うぞ。

Digital Humanities Quarterly

日本アーカイブズ学会2007年度大会

日本アーカイブズ学会2007年度大会
  • 日時:2007年4月21日(土)13:00−17:00、4月22日(日) 9:30−18:00
  • 会場:学習院大学(JR目白駅下車5分)
詳しくはhttp://www.jsas.info/rightFrame/right1/070324/LatestN.htm参照。関西だったら行くのにね。

Monday, April 02, 2007

「美濃部家屋敷図」の出典など

情報歴史学研究室: 【講義メモ】コンピュータで遺跡を復元するで紹介した藤井君のCGについて、明石観光協会から問い合わせがあった。なんでも、明石の歴史について勉強されているボランティアガイドの方がこのブログを見て、どのような資料を使ったのか知りたいと観光協会に問い合わせをされた由。藤井君に代わり、観光協会の方には電話でご連絡をしたが、ブログでも答えられる範囲でお答えしたいと思う(以下の情報は藤井君の卒業論文に基づくものであり、このエントリを書くにあたって当該文献や明石市立文化博物館等を直接(再)確認しているわけではないので、そのあたりはご了承いただきたい)。

「美濃部家屋敷図」の出典

明石市立文化博物館『発掘された明石の歴史展―明石城武家屋敷跡―』(明石市立文化博物館、1996年)に掲載。

「美濃部家屋敷図」に東西南北の表示はあるか?

あります。

「美濃部家屋敷図」から敷地の広さ、縦横の長さなどはわかるか?

大雑把な情報は得られるが、正確な数値はわからない。CGを作る際には、発掘調査報告書などを利用している。いくつかあげると:
  • 明石市立文化博物館『明石市明石城武家屋敷跡 I』第1分冊(明石市教育委員会、1994年)
  • 兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所『明石市明石城武家屋敷跡』第109冊(兵庫県教育委員会、1992年)
  • 稲原照嘉「明石城の発掘調査」(『信濃』第52巻第10号、信濃史学会、2000年)
  • 前掲『発掘された明石の歴史展―明石城武家屋敷跡―』

建物の高さの推定

「美濃部家屋敷図」は平面図であるため、これからは高さなどは推定できない。しかしながら、幸いにして昭和初期の写真が残っており、塀の高さなどについては大まかに知ることができる(前掲『発掘された明石の歴史展―明石城武家屋敷跡―』所収)。それ以外には、現存する同時代の武家屋敷や、“建築指図”と呼ばれる史料(設計図みたいなもの)などから推定している。

この例に限ったことではありませんが、一般に「復元」と言っても、各種史資料を研究者が解釈し、多分に恣意を交えて構成したものであるということをご理解いただければ幸いです。